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“一打無敵”のご意見番が球界を斬る 張本勲の喝!!

張本勲コラム「タイトル獲得のチャンスは絶対に逃すな! 選手としてレベルアップできて記録にも残る。私が選ぶMVPは村上頌樹と山本由伸だ」

 

セ・リーグのMVP候補でもある阪神村上頌樹[写真=高塩隆]


気にしていないのウソ


 阪神が9月に入ってから負けなしの11連勝で一気に優勝を決めた。8日から10日までの2位広島との3連戦に3連勝(甲子園)。これでマジックナンバーが5となり、広島の息の根を止めた。一方のパ・リーグもオリックスが9、10日で2位ロッテに2連勝。マジックナンバーを10とし、こちらも優勝は時間の問題だ。間もなく中嶋聡監督が宙を舞うだろう。2023年のペナント制覇は阪神とオリックス、関西の2球団が制したことになる。(9月20日にオリックスのリーグ優勝が決定)

 まだ早いが、私がMVPを選ぶとすれば、阪神は村上頌樹だ。3年目の右腕だが、先発で防御率が1点台というのは大したものだ。もう少し勝ち星を上乗せできれば文句ないところだが、最低ラインの2ケタ勝利には到達している(10勝5敗、防御率1.76/9月14日現在)。新人王はほぼ決まりだと思うが、MVPも受賞となれば大変な名誉だ。ちなみに新人王とMVPのダブル受賞は、過去に木田勇(日本ハム、1980年)、野茂英雄(近鉄、90年)がいるようだが、セ・リーグでは初の偉業となる。

 オリックスは山本由伸だ(14勝5敗、防御率1.26/同)。3年連続のMVPとなればこれまた偉業。9月9日のロッテ戦(ZOZOマリン)では昨年に続いてノーヒットノーランを達成。オリックスの強さは山本とともにあると言える。3年連続のMVP受賞は、山田久志(阪急、75〜77年)にイチロー(オリックス、94〜96年)と過去に2人いるようだが、山本を含め、同じチームというのが面白い。もっとも、新人王やMVPは記者投票で決まるから、どうなるか分からない。オリックスの山本は間違いないと思うが、阪神は近本光司大竹耕太郎岩崎優ら候補がたくさんいて票が割れることになりそうだ。

 優勝チームが決まり、クライマックスシリーズに向けて熱い戦いが繰り広げられる中、タイトル争いもゴールが近づいてきた。独走していれば別だが、タイトルを狙える選手はここからが勝負。重圧と向き合ってタイトルを手にしてもらいたい。

 最近は「タイトルは別に気にしていません」とか「獲れなければ仕方ありません」と口にする選手もいるが・・・

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