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球の心は正直者

新井貴浩コラム 今週の感謝人 黒田博樹さん(元広島ほか)「(黒田さんと)出たときも、戻るときも同じというのは、不思議なタイミングだと思いました」

 

07年オフにともにカープを離れて別々の道へ。メジャーで活躍する黒田さんを、チームメートとして、ファンとして、応援していました/写真=Getty Images


カープを離れたときも復帰の時期もほぼ同じ


 今回は、カープの先輩・黒田博樹さんの第2回です。前回は2005年までの話を書きました。

 この年、私はホームラン王、黒田さんは最多勝を獲りましたが、当時、私も黒田さんも、野球人生の大きな岐路を迎えていました。

 FAです。権利を獲得したのは、黒田さんが1年早いのですが、06年オフは残留。期せずして、翌07年のシーズンを終えた後、2人ともカープを離れるかどうかの決断を迫られることになりました。

 結果的に、私は阪神、黒田さんはメジャーへと移籍しましたが、前回も触れたように、当時の私はやっぱり、黒田さんを元チームメートとしての目線とファン目線の2つで見ていました。お世話になった後輩として、「メジャーでも頑張ってください、黒田さん」とエールを送る自分と、「おお、カープの黒田がメジャー入りか。カープの代表として頑張れよ!」というファン目線です。

 ただ、2つは違うようで、結局は同じことですよね。その後、メジャーでも先発ローテーションに入り2ケタ勝利をする黒田さんを見て、後輩として「さすが黒田さん!」、ファンとしては「さすがカープの黒田だ!」。どちらにしても、うれしかったし、誇らしい気持ちになったことに変わりはありません。

 15年、黒田さんが広島に帰ってきたときもそうです。阪神を自由契約となって戻った私と、メジャーの大型契約を蹴って復帰を決めた黒田さんを一緒くたにするのはおこがましいのですが、出たときも、戻るときも同じというのは、不思議なタイミングだと思いました。

 そして、何度も書きますが、後輩として一緒に戦えるうれしさとともに、「あの黒田がよく帰ってきた。メジャー・リーガーがよくカープに帰ってきてくれた。ありがとう!」というファン目線がありました。

 この“2人の自分”の話は黒田さんに・・・

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新井貴浩の球の心は正直者

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