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球の心は正直者

新井貴浩コラム 今週の感謝人 大野豊さん&達川光男さん(元広島)「『お前には未来がある』という言葉は、しびれました」

 


カープファン・新井


 私がカープにドラフトで指名され、プロの世界に足を踏み入れたのは1999年です。ドラフト6位で、誰も注目していない不器用な選手でした。以前も書きましたが、1年目の春季キャンプでは金本知憲さん、江藤智さんのすさまじい打球に圧倒され、プロの投手のスピードに驚きとショックの連続でした。それでも、「このままで終わりたくない。自分に負けるな!」と気持ちを奮い起こしてやっていました。

 ただ、時々ですが、「カープの新人・新井」じゃなく、「カープファン・新井」になって周りを見ながらニヤニヤしていたこともあります。だって、少年時代、広島市民球場で必死になって応援していた(時にやじっていた)選手たちが、コーチとして手が届くくらい近くにいるんですから!

 一番、「カープファン・新井」の目が輝いたのは、投手コーチだった大野豊さんです。前年の98年限りで引退されたレジェンド左腕で、コーチ1年目ですね。私は「おお、あの大野だ。大野豊がおる!」と興奮しながら見ていました(大野さん、呼び捨てすみません。あくまでファン目線です)。

 私の中で、山本浩二さん、衣笠祥雄さんは別格の存在でしたが、お二人の全盛期は、私が小さかったこともあって、あまり覚えていない。どちらかと言えば、歴史上の偉人みたいな存在です。

 一方、大野さんは、小学校高学年から中学校くらいになって見ていた時代のスターです。社会人では軟式野球をやっていて、テストを受けてカープに入り、1年目の防御率は135.00だったとか、私の年代の広島の野球少年なら、みんなそういった大野さんのバックボーンも知っていたと思います。

 大野さんが少年ファンに人気があったのは・・・

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新井貴浩の球の心は正直者

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