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球の心は正直者

新井貴浩コラム 今週の応援人 菊池涼介選手(広島)「あこがれの舞台で、キクがどれだけすごいのか、キクのレベルがどのくらいの位置にあるのかを、私自身も見てみたい」

 

2016年[写真]と18年の2試合は、キクとの思い出がたっぷり。私にとっても忘れられない試合です


アッと驚く本塁打


 前回(先週号)に引き続き、キクの話です。ポスティング申請が完了し、いよいよメジャー・リーグの球団との交渉が解禁になりましたね。

 キクとの思い出の試合は多数ありますが、その中でも2016年8月7日の巨人戦と、18年10月18日、巨人とのクライマックスシリーズ・ファイナルステージ第2戦(ともにマツダ広島)は忘れられません。ファンの方の記憶に残っている抱擁シーンも含め、印象深い2試合です。

 まず、16年の一戦は、9回二死からキクが同点ホームランを打ちました。負ければ2位・巨人に3.5ゲーム差と迫られ、優勝の行方が分からなくなるかもしれない中で、あの一発で流れが傾いた。その後、丸(丸佳浩)がフォアボールを選んで、私がサヨナラ打をレフトに打つわけなんですが、右ヒザを着き、右拳を突き上げたあと、キクがバーッと駆け寄ってきたんですよね。抱き着いてきて、ガーッと抱きしめたのは、すごく記憶に残っています。そう言えば、お立ち台ではキクに「貴ちゃん」なんて呼ばれ、誠也(鈴木誠也)からはシャワーを浴びせられたなあ。それもいい思い出です。

 また、18年の一戦は、私が同点打、キクが決勝打と、立場的にはキクと私が逆になりました。1点を追う8回、二死二塁から代打でコールされた私が、確かフォークボールをレフト線に運んで同点に。その後、四球を挟んで、キクが左中間スタンドへ、試合を決める3ランです。ベンチで見ていた私は大興奮! 戻ってきたキクと抱き合い、一緒に上がったお立ち台でもキクを抱き寄せて喜びを分かち合いました。

 あのとき、打席に向かうキクを・・・

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新井貴浩の球の心は正直者

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