週刊ベースボールONLINE

裏方が見たジャイアンツ

香坂英典コラム 第4回 彗星の如く現れたプリンス高橋由伸【前編】

 

98年入団の高橋由伸。甘いマスクはまさに「プリンス」だった。今回は前後編で彼の魅力を書いてもらった


また忙しくなる……


 1998年、東京六大学のホームラン記録23本を引っ提げて、慶應大の高橋由伸が逆指名(ドラフト1位)でジャイアンツに入団してきた。

 大物ルーキーの高橋由伸が、どこの球団に入るかはプロ野球ファン注目のストーブリーグ情報だったが、僕は広報担当者として忙しい毎日を送っており、さほど気にしていたわけではない。それが97年秋、由伸の巨人逆指名! 「うっ! これでまた忙しくなる……」。とっさにそう思った。

 さかのぼれば、92年秋、長嶋茂雄さんが12年ぶりに監督として巨人復帰、“長嶋監督フィーバー”の幕開けである。続いて星稜高の四番打者として、甲子園の5打席連続敬遠(明徳義塾高戦)で世間を騒がせたゴジラこと松井秀喜も入団。松井をドラフト1位のクジで引き当て、親指を立ててニコッと笑った長嶋監督の姿にドラフト会議の会場では大きなどよめきが起こったが、その会場に隣接する部屋でその結果を知った僕は「また忙しくなるのか……」と全身の力が抜けていくような感覚に陥った。

 97年4位に終わったジャイアンツにとって、由伸入団は最高の戦力補強であったわけだが・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

裏方が見たジャイアンツ

裏方が見たジャイアンツ

ジャイアンツ一筋41年。元巨人軍広報による回想録!

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング