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香坂英典コラム 第25回 松井秀喜との話 その5 松井、大丈夫、骨は僕が拾ってやるよ(笑)

 

2003年、渡米前の取材でメジャー球をガブリと食べる(?


広報・香坂、危機一髪!


 いや……自分でも驚いたのだが、松井秀喜について書き出したら止まらなくなった。今回のシリーズ(と言えばいいのか)が松井について書く2度目だが、これが5回目となってしまった。さらにさらに驚くのだが、まだ書きたいことが山のようにある……。

 いずれにせよ、今回を一区切りにしたい。まずは前回書いた笑える話の2つ目だ。2000年、松井が第33回の日本プロスポーツ大賞を受賞したときの話である。

 このシーズンオフでフリーエージェント権も獲得し、メジャー移籍も含めて世間の注目を集めていた松井。僕はこのときも松井の窓口として忙しく動いていた。この受賞に際し、あらかじめ送られてくるスケジュール表を見ると、内閣総理大臣杯と謳(うた)われており、ホテルでの受賞セレモニーを終えたあと、首相官邸内で首相と歓談と書いてあった。

 そして、その贈呈者は当時の内閣総理大臣、森喜朗氏であった。森さんは松井の故郷である石川県能美郡根上町の出身で松井とは同郷の間柄だった。

 スケジュール表には僕の名前がなく、僕はうっかり、その首相官邸までアテンドしなくてもよいと勝手に思っていて、松井に「ホテルのほうで待っているからな、頑張ってな」と、内心「ラッキー……」などとほくそ笑んでいた(笑)。

「オッチャン、なんで来ないの」(松井は時に僕をそう呼ぶ)と、松井は怪訝(けげん)そうな顔をするが、打ち合わせでもう一度話を伺うと、やはり僕も官邸までアテンドすることになっていた。ゴジラはニンマリしながら先輩の僕に対して「ふふふ、働きなさい!」と偉そうに言った(笑)。

 官邸に着き、贈呈式を終えると地下にある別室に移り、森総理と歓談をする。総理は周りに何人もの総理補佐官を従えていた。めったにこんな場所には入れないので、僕もとても緊張していた。歓談をする前には松井とトイレに入ったが・・・

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