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裏方が見たジャイアンツ

香坂英典コラム 第33回 いろんなヤツがやって来た 助っ人編3 ヘンリー・コトー、バルビーノ・ガルベス

 

ヘンリー・コトー。1961年生まれ。MLBではマリナーズなどでプレーし、569安打、130盗塁。94年巨人に入団し、左投手キラーとして活躍。日本シリーズでは優秀選手賞にも輝いたが、同年限りで退団


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 あの「10.8」で優勝を飾った1994年シーズン、前回紹介したダン・グラッデンジミー・ジョーンズとともにやって来たヘンリー・コトーも、僕の記憶に残る愛すべきナイスガイだった。

 当時のジャイアンツは相手の左の好投手に苦しめられる傾向があり、「左殺し」獲得はチーム補強の大きな課題の一つになっていた。その補強ポイントをカバーすべく来日したのが、スキンヘッドにヒゲの男、コトーだった。なかなかのイケメンで、物静かで落ち着きのあるスラッガーは誰にでも思いやりのある行動で接し、愛された。ヘンリーがその力を発揮し、相手チームのエース級左腕をことごとくカモにし、試合の勝敗を左右するポイントで打ちまくった。

「左キラーの怪人、ヘンリー・コトー」は、その個性的なキャラクターが受け、写真週刊誌の取材を受ける。「スキンヘッドのクールな助っ人」というテーマだと言う。取材の趣旨を説明するとヘンリーは快諾してくれた。写真撮影の要望は自慢のスキンヘッドに剃刀を入れて身だしなみを整えているというカットが欲しいということだった。

「今日は頭は剃ってきたから、もう剃るモノはないぜ」と言いながらも、あらためてフワフワのシェービングクリームを頭に塗り、刃の付いていないシェーバーで頭を剃るポーズを取ってくれた。

 撮影用に用意した高価なものも含めた何種類ものシェーバーをすべて進呈され、「こんなにたくさんシェーバーをもらってしまっていいのか」となんとも控えめなことを言うかと思えば・・・

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