水島マンガの鉄腕

　遅ればせながら、第5回WBCを制した侍ジャパン、世界一おめでとう！　素晴らしい感動を日本中の人々に与えてくれて、ありがとう！　野球というスポーツは本当に素晴らしい。こうして、次世代のスター選手を夢見て、また子どもたちが野球に勤しむ。誇り高き男たちは、日本の野球界の発展にこの上ない大きな貢献をした。

　WBCの感動のシーンの数々を目にした多くのファン、そして侍ジャパンの選手でさえもが口々に「まるで漫画のような」というような表現を使った。小学生のとき、僕が最初に野球に興味を持つきっかけとなったのも『巨人の星』という野球漫画だった。中学生になれば水島新司さんが描いた『あぶさん』『野球狂の詩』『ドカベン』に夢中になる。

　読者の皆さんは、その水島漫画に登場する老練な伝説の左腕投手、「岩田鉄五郎」をご存じであろうか。いくつかの水島漫画に登場する岩田鉄五郎のキャラクターの背景はそれぞれ異なっているが、岩田鉄五郎は主に『野球狂の詩』の中に登場する「東京メッツの岩田鉄五郎」を指すことが多い。当然、架空の人物ではあるが、岩田は1923年生まれ、存命であれば、今年で迎える年齢は100歳だ。

　旧制中学時代、剛速球投手として活躍、大戦で戦地に赴くも、復員後に東京メッツに入団、53歳での自身の引退試合後になんと自ら引退を撤回してしまう(笑)。プレーイングマネジャーとして、その後も現役を続け、野球を離れたにもかかわらず72歳で再び選手兼監督となり、現役復帰する。一説によると・・・