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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「訃報を耳にして思い出した昭和のプロ野球と職人気質」

 

Wマークのマリンブルーの帽子は映画にも登場した[写真は田代富雄、1979年]


 俳優の田中邦衛さんが亡くなった。田中さんといえば映画『若大将』シリーズで主役の加山雄三さんと張り合う青大将役を演じて、人気を博す。その後、テレビドラマ『北の国から』で子どもたち(吉岡秀隆さん演じる純、中嶋朋子さん演じる蛍)へのまっすぐな想いを貫く、不器用ながらも懸命に生きる父親、黒板五郎役を演じて多くの人の涙を誘った。

 ただ、個人的に心に残っているのは映画『みんなのいえ』で田中さんが演じた大工の棟梁、岩田長一郎の役だ。三谷幸喜さんが脚本、監督を務めたこの映画のことを、田中さんの訃報を耳にしてふと思い出した。物語は長一郎の娘、八木亜希子さん演じる飯島民子が夫婦で住む家の新築を計画するところから始まる。民子は母に、父が喜ぶから、と説得され、施工を長一郎に頼むことにした。愛娘から新居の建築を託された長一郎は、日本古来の技術の粋を駆使した、大工として集大成となるような一軒を建てようと張り切る。

 ところが・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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