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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「本当のことが伝わらないネット社会の危うさ」

 

プロ入りを“拒否”した立大・黒須陽一郎。一度ついたネガティブなイメージを払拭するのは容易ではない


 あまりに濃過ぎる2日間だった。10月17日、札幌でマウンドへ上がった斎藤佑樹。その2日後、所沢で先発した松坂大輔。ともに引退を決めていたこの2人――斎藤は大学、松坂は高校から取材を続け、彼らのプロでのピッチングをナマで観た回数はどの野球人にも負けていないと自負している。

 斎藤は一軍だけでなく二軍の試合も、松坂は日本だけでなくメジャーでも、可能な限り球場で試合を観て、かなりの時間を共有させてもらった。彼らが紡いでくれた言葉は取材者にとっての宝物だ。

 改(あらた)めて驚かされたのは、彼らが会見やセレモニーで発した言葉の強さだった。素直に正直に、飾ろうとせずに綴(つづ)った言葉に心を揺さぶられた人は多かったのではないだろうか。そう思うといったいなぜ、ここ最近の斎藤や松坂はネット上であれほどまでに叩(たた)かれる必要があったのかと言いたくなる。

 もちろん、彼らから話を聞いた伝え手が、本当のことを世に伝えられなかったからこうなってしまった申し訳なさと反省はある。ただ・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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