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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「優勝もタイトル争いも他力本願ではダメ」

 

田尾[左]の5打席連続敬遠は、優勝争いにも影響した


「恋は盲目」とは劇作家のウィリアム・シェイクスピアが『ヴェニスの商人』の中で綴(つづ)った台詞(せりふ)だ。そんなシェイクスピアの粋なフレーズが頭に浮かんだのは、秋の気配漂う週末、2日続けて猛烈なバファローズ好きと一緒にプロ野球を観戦したからだった。

 正直に言おう。

 贔屓(ひいき)の引き倒しは勘弁してほしかった(笑)。確かに理解できなくはない。その昔、野球を観ることを仕事にする前はこんな感じだったなと懐かしく思い出した。あれは1982年のことだ。ジャイアンツとドラゴンズがデッドヒートを続けていた。ジャイアンツが全日程を終えた時点でドラゴンズの残り試合は8、マジック5。ドラゴンズはあと2つ勝てば優勝というところまでこぎつけていた。

 最後の3連戦の相手は(大洋)ホエールズだった。ドラゴンズは1試合目に勝って、2試合目を落とした。勝てばドラゴンズが優勝、負ければジャイアンツが優勝となるシーズン最終戦――ところが・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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