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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「“滑るボール”問題最優先させるべきは何か」

 

ボールが原因で選手を守れなければ本末転倒だ[写真はイメージ]


 ビックリする話を聞いた。

 メジャーで使われているツルツルのボールと、NPBで使われているしっとりしたボールは、中米の同じ工場の別ラインで作られているものもあるのだという。現地で確かめたわけではないのだが、スポーツメーカーの責任あるポジションの人が言うのだからそうなのだろう。同じ皮をなめすとき、メジャー用のボールを作るメーカーはツルツルに仕上げ、NPBのボールを作るメーカーはしっとりさせる。つまり、メジャーのボールもツルツルにするのをやめようと決めれば、簡単にしっとりさせられる、ということになる。

 だからなのか、そうしようという動きは加速していた。今年の9月、マイナー・リーグで今までよりも滑りにくいボールのテストが始まっていたのだ。MLBは当然、NPBのボールが滑りにくいことは把握している。そのボールがピッチャーを守るということも理解しているはずだ。野球を露骨にビジネスと捉えるMLBは、これまでにも投打のバランスを意図的にコントロールしようと舞台裏でこっそり“演出”を凝らしてきた。分かりやすい流れはこうだ。

 ボールが滑るからピッチャーが滑り止めをつける・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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