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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「机上の野球に貶める極端な内野シフト」

 

日本球界でも、野手が極端に右による“王シフト”が存在した


 野球はスコアブックから試合を思い描くことができる希有な競技だ。しかし近年の極端なシフトが、その妙をぶち壊してしまった。

 左バッターが一、二塁間にゴロを転がす。それをショートとセカンドの間、ほぼセカンドの定位置に守るサードが捕って一塁へ送球、アウト――このプレーはスコアブックには5-3と記される。当然、左バッターなのだから流した打球を思い浮かべるはずだ。しかし実際は違う。これは野球好きにとっては野球の趣を削(そ)がれるような気がして、面白くない。

 4年前、マリナーズに復帰した直後のイチローにインタビューしたときの言葉を振り返ってみよう。

「今の時代、バットから離れた打球の角度が何度だったとか、その速度が何マイルだったとか、それって野球じゃないと思うんです。試合でツーストライクに追い込まれたとき、僕は・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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