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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「塁間の“黄金律”は聖域であるべき」

 

塁間の距離が変われば、記録も変わってしまう[写真は阪神中野拓夢]


 今から30年前、“土俵の鬼”と呼ばれた第45代横綱、初代・若乃花勝治(当時の二子山親方)とともに、相撲のルーツを訪ねて世界中を旅したことがあった。約4000年前、世界最古の格闘技が行われていた壁画が、エジプト、ナイル川上流の古代都市、ベニハッサンにある古墳の墓室に遺されていると聞きつけ、取材に出向いた。

 さらに相撲を“足技と寝技のない格闘技”と定義すると、世界にはいろんな相撲が現存していることがわかった。スーダン、セネガル、スイス、フランス、トルコ、カザフスタン、モンゴル、韓国、日本――そんな世界の相撲を見て歩いた結果、あらためて思い知らされたことがある。それは、世界の相撲には農耕文化の五穀豊穣を祈る儀礼的要素か、遊牧騎馬民族が強さを誇示するための服属儀礼の要素かのどちらかが備わっており、決して興行として行われていたわけではなかった、ということだ。

 だから平安時代に行われていた宮中の相撲節会や・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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