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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「山頂へ登るルートはいくつもある」

 

加藤は「マイナーからメジャー」の先駆者となれるか[写真=Getty Images]


 うれしい報せが飛び込んできた。

 ブルージェイズとマイナー契約を交わしていた加藤豪将の、メジャー開幕ロースター入りが決まったというのである。カナダの地元テレビ局が報じたところによれば、「おめでとう」という言葉でロースター入りを伝えられた加藤は、思わず「何のことですか」と返事をしてしまったのだという。

 それほど長く、厳しい道を歩んできたのだろう。オープン戦ではロースター入りが決まるまでに打率.348、ホームラン1本、3打点、1盗塁を記録。うち、外野の複数ポジションを守れるユーティリティープレーヤーであることに加え、バッティングでも結果を残したことで、加藤はついに悲願の開幕メジャーをつかみ取った。

 アメリカのカリフォルニア州で生まれた加藤は日本人を両親に持ち、日本とアメリカの両方の国籍を持っている。幼いころは日本とアメリカを行き来、6歳になるころからアメリカで暮らし、リトルリーグで野球を始めた。サンディエゴの高校で傑出した数字を残して、2013年6月に行われたMLBのドラフト会議でヤンキースから2巡目での指名を受ける。アメリカで育ちながら日本語も堪能な加藤は「高校を卒業後はUCLAに進んで、いずれはジャーナリストになりたかった」と話していた。まさか自分がプロ野球選手になるなんて思ってもみなかったのだそうだ。

 そんな加藤がヤンキースに指名された。当時は・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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