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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「白でも黒でもないグレーの重要性」

 

根尾の育て方に関する議論は、才能があるからこそだ


 NHKの『サンデースポーツ』は今の仕事の土台を作ってくれた古巣であり、愛着もひとしおだ。今でも毎週、欠かさず見ている。先日もパラアスリートの谷真海さんとラグビー元日本代表の畠山健介さんの話に聞き入った。谷さんの企画コーナーが“たに色まみ色”で、最後に“色”にまつわる質問をすることになっていて、谷さんが畠山さんに「これからの色、キャリアを振り返っての色、今の畠山さんの色は何色ですか」と訊きく。すると畠山さんは言った。

「ダークグレーです」

 その理由を、こう続ける。

「スポーツって白黒ハッキリするじゃないですか。勝てば白だし負けたら黒。そういう世界で生きてきて、そういうものごとで世の中を見たら、正しいか間違っているかの価値観だけ。でもそうじゃなくて、実はその中間色があって、白でも黒でもない、どっちかに振るんじゃなくて、中間色みたいなのって大事だと思っていて……」

 白でも黒でもない、中間色としてのグレーは大事──この畠山さんの発想は、物事を見るときに大事な価値観だと思った。大谷翔平の二刀流もそうだ。ほとんどの野球人がプロでの二刀流を疑問視し・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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