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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「1対0の試合にも82対0の試合にもあるドラマ」

 

高校野球の地方大会にはドラマがある[写真はイメージ]


 三方を海に囲まれた高知県西南端の町、大月町。10年以上前、ここへ高校野球の取材に出向いたことがある。見慣れないよそ者を遠目に、野球部員がひそひそ話をしているのが聞こえてきた。

「なんしよるぞ?」

「練習、見に来よったけんよ」

「え、そうなが?」

「写真、撮っちょう」

「めんどいなー」

 めんどい? そりゃ、そうか。

 さして強くもない、むしろ弱いことが話題となってしまう取材慣れしていない野球部だ。高知県立宿毛高校大月分校――ここへは「分校野球部」というテーマで訪れたのだが、当時は大敗続き。その後、入学者が定員に満たない年が続き、8年前に閉校となっている。

 なぜ大月分校のことを思い出したのかといえば・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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