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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「これから背負っていく日の丸の重み」

 

背番号55の存在感は代表チームでも増すばかりだ


 胸にJAPANと描かれたユニフォームを着て、平然とホームランを連発する令和の三冠王――ベースを一周してベンチへ戻ってくる村上宗隆を見ていると、その立ち居振る舞いに驚かされる。東京ドームや札幌ドームの取材席から見ている限り、彼はニコリともせずにホームへかえってくる。スワローズのときもそうだ。いつも、というわけではないが、ホームランを打っても感情を爆発させるイメージがあまり湧かない。

 その一方で、チームメートがホームランを打ったとき、ベンチで大喜びする村上のはしゃぐ姿はいくらでも思い浮かぶ。ほかの選手が打ったらあんなに喜ぶのに、自分が打ったときにはまったく喜ぶ素振りを見せない……それはなかなかできることではないと思う。22歳でそんなカッコいい所作を身につけているのはいったいなぜなのだろうと興味が湧いてくる。

 感情を爆発させない選手といえば、イチローが思い浮かぶ。打って喜ぶ姿を相手に見せてしまったらそれは自分にとってのスキになると、頑なに感情を抑え続けてきたイチロー。2009年、不振に喘(あえ)いだ第2回のWBCで打った決勝でのタイムリーヒットは今でも野球好きを越えた多くの日本人の脳裏に刻みつけられているが・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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