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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「真っ正直で愛された“サブ”キャラ」

 

引退セレモニーでも最後まで“サブちゃん”らしかった


 いくつかの印象に残るインタビューの中で、もっとも敗北感を味わわされた相手は誰かと訊(き)かれたら、間違いなくこの選手を挙げる。

 サブちゃんである。

 今から5年前のことだ。2017年の7月、イーグルスの“サブちゃん”こと福山博之はとんでもない記録を続けていた。味方のエラーによる1失点があったため藤川球児の38試合連続無失点記録には挑めなかったものの、開幕からオールスター前まで、36試合に投げて防御率が0.00だったのである。そこで仙台まで出向いて、インタビューを敢行した。

 サブちゃんと言えば、イーグルスが日本一になった2013年の田中将大とのこのやりとりが印象に残っていた。試合前、先発の田中が一人、投手陣の輪を離れて先にクラブハウスへ引き揚げる。すると、福山が大声を張り上げる。

「タナカぁ〜っ」

 田中が立ち止まって振り返ると、福山がこう叫ぶ。

「がんばれよ〜っ」

 すると田中が言い返す。

「うるせえ〜っ」

 再び歩き始めた田中に・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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