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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「20年前の足跡と重なる踏み出そうとしている道」

 

藤浪は大家のように、異国の地で居場所を見つけられるか


 女優の斉藤由貴さんにドキュメンタリー番組のナレーションをお願いしたのは、もう20年も前のことだ。以下は彼女に読んでもらった1ページ目の原稿である。

『誰かに逆らって、何かに刃向かって、世の中にはブルーハーツが代わりに叫んでくれる。そうだ、そうだと、遠くから叫んでるだけの僕。仕事も夢も、中途半端。ニッポンにいたって、やる気なんか起きないよ。こことは違う、どこか海の向こうに行けば、僕はきっと今とは違う自分になれる。そうやって言い訳してる僕がいる。居場所の見つからない、僕がいる』

 主人公は、26歳だった大家友和

 彼にはニッポンに居場所がなかった。そしてアメリカにはきっと自分にふさわしい場所があると信じて、海を渡った。やがて大家はメジャーのマウンドに立つ。さらに2002年、大家はフルシーズン、エクスポズの先発ローテーションをほぼ守り通した。31試合に先発し、192イニングと3分の2を投げて13勝8敗。堂々たる数字である。

 ベイスターズを退団した大家は1999年、アメリカでの野球生活をレッドソックスのマイナー契約からスタートさせた・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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