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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「戦力を活性化させる胸騒ぎを覚えるトレード」

 

田尾安志西武移籍は、竜党にとって衝撃的な出来事だった


 ジャイアンツで8年にわたって1年ごとに4度ずつの開幕投手を務め、一時代を築いた“2人のエース”、江川卓西本聖が話をしていたとき、お互いが「そういえばそうだったな」と苦笑いを浮かべたトピックがあった。

 それが、ともにトレードの経験者だった、ということだ。

 江川はいわゆる“空白の一日”に交わしたジャイアンツとの契約が無効とされ、ドラフトでタイガースに指名された。江川との契約は有効だと主張するジャイアンツとドラフトで江川との交渉権を得たタイガース――日本球界は大混乱に陥り、落とし所を見出さなければと何らかの裁定を出さざるを得なかった当時の金子鋭コミッショナーは「江川はまずタイガースと契約し、その後、すぐにジャイアンツへトレードする形での解決を望む」という“強い要望”を出し、最終的にはその形で決着する。江川は縦縞のユニフォームに一度も袖を通すことなく、ジャイアンツへトレードされた。

 一方の西本は、ジャイアンツで活躍したあと・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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