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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「巨人からイチローへ変化の継承が行われた日」

 

巨人がV9を達成した日は、イチローが生まれた日でもあった[写真は川上哲治監督=右と王貞治]


 2023年である。

 3月には5回目のWBCがあって、秋にはラグビーW杯がある。昨年のサッカーW杯でも日本はベスト16に勝ち残って日本を盛り上げた。もはやプロスポーツ界、生き残っていくためのグローバル化は欠かせない。しかし日本のプロ野球は山積する課題をその場凌(しの)ぎの先送りにしてきた結果、グローバル化に乗り遅れてしまった。

 確かに国内に目を向ければどの試合も観客はいっぱい、リピーターは増えて、12球団の中に極端な不人気球団は見当たらなくなった。一見、プロ野球人気は安泰のように見える。しかしこうした地域密着、地元重視、球場へ足を運ぶ人をメインターゲットとしたビジネスモデルは、日本のプロ野球を日本人の共通語から遠ざけてしまった。球場へ足を運ぶ野球好きと、球場で何が行われているのかも知らない野球に無関心な人の二極分化は加速し、プロ野球は日本シリーズといえども国民的行事ではなくなった。その結果、野球が身近ではない層が増えて、子どもたちの野球離れにも拍車をかけた。MLBがこの四半世紀、球場に集まる人数などたかが知れているという発想のもと・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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