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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「マグマ渦巻く活火山“マウント・フジナミ”」

 

“藤浪火山”はメジャーで噴火するか


 名古屋生まれの名古屋育ちを公言しているが、幼稚園から小学4年生までは静岡市に住んでいた。両親ともに静岡出身で、物心は静岡でついたと思っている。

 となると富士山は特別だ。

 思えば、人生の岐路に立つたびに富士山にどうすべきかを問い掛けてきた。そのたびに富士山は答えをくれた(ような気がする)。その答えを信じて決断を下してきた結果、今があり、富士山のくれた答えはどれも最善の道を指し示してくれた(と思い込んでいる)。

 有史以降の大規模噴火は864年と1707年の2度。富士山は休火山ではなく、日本に111ある活火山の一つだ。小学校の先生から「富士山を見ると美しさに感動すると同時に、恐れおののく」と聞いたことがある。それは溶岩が押し上げた山の高さが過去の噴火の凄まじさを、末広がりの美しい稜線がいかに長いこと噴火していないかを見るものに想像させるからだ。長年、噴火していない活火山であることを、あの高さ、美しさが物語っている。だからこそ畏怖の念を抱くというのである。

 さて、こうして富士山のことをつらつらと書き連ねたのは、彼からこの言葉を聞いたからだ。

 “Please call me FUJI,like Mt.Fuji!(僕のことはフジと呼んでください、富士山のフジです)”

 藤浪晋太郎――1月18日未明、ネットを通じてオークランドから聞こえてきたアスレチックス入団会見での自己紹介である。藤浪はアメリカ人にも馴染みのある富士山に準(なぞら)えて、自らを「フジ」と呼んでくれと英語で呼びかけた。

 藤浪といえば甲子園で春夏連覇を成し遂げた大阪桐蔭高のエースであり・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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