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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「見られてナンボの世界。常にファンの目線で──」

 

ウインドブレーカーを着てウォーミングアップをする日本代表[左=大城卓三、右=村上宗隆]とあって、スタンドから選手の識別が難しい[写真=榎本郁也]


 平日の夕方、NHKで昔の朝ドラを再放送している。一度に2話分を放送していて、現在の朝ドラ『舞い上がれ!』とあわせると45分になる。毎晩、録画した朝ドラを見ながら運動するのにちょうどいい時間だ(ちなみに土、日は大河ドラマ『どうする家康』と、日曜朝に再放送されている昔の大河ドラマ『おんな太閤記』を45分ずつ、運動タイムに充てている)。つまりはNHKの“今昔”ドラマのおかげで日々の運動は毎日、飽きることなく続けられている。

 ちなみに今、平日の夕方に再放送されている朝ドラは『ひらり』だ。今から30年前に放送された相撲部屋を舞台とした物語である。主人公のひらりを石田ひかりさんが演じ、主題歌の『晴れたらいいね』をドリカムが唄って人気を博した。30年前と言えば世は空前の若貴ブーム。1992年の初場所で貴花田(のちの横綱・貴乃花)が19歳5カ月の史上最年少で幕内優勝を飾り、若貴ブームは一気に社会現象と化した。稽古を見に狭い路地に集まった人々が混乱の末に転倒、女性が骨折するという悲劇も起こった。

 今年のWBCも宮崎ではけっこうな騒動になっていたが、肌感覚では若貴ブームのほうが過熱ぶりは激しかった気がする。いや、比較することに意味はないのだが、最近のダルビッシュ有大谷翔平の発言を聞いていたら、当時はハタチに満たなかった貴花田がこう呟(つぶや)いていたのを思い出したのだ。

「見ていただいてこその大相撲ですから……」

 そして・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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