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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「世界一の最大の意義は次の世代へつなぐこと」

 

世界一に導いた日本代表・栗山英樹監督[左]。栄冠をつかむ意味は今、この瞬間のためだけではないと考えてきた[写真=高原由佳]


 プロ野球が開幕する。

 WBCで日本代表として活躍した選手たちはそれぞれのチームへ戻った。開幕シリーズ、東京ドームでは岡本和真戸郷翔征大勢を観ることができるし、岡本と対峙する若き侍、高橋宏斗を味わえるかもしれない。所沢へ行けば山川穂高のホームランと源田壮亮の守備、バファローズの山本由伸宮城大弥宇田川優希山崎颯一郎のピッチングを堪能できる。福岡へ行けば近藤健介の匠の技や周東佑京の快足が見どころだし、バージョンアップした佐々木朗希も目撃できるかもしれない。鈴木誠也栗林良吏も含めて、それぞれの形でチームを支えた“32人”の選手たち――挙げていけばキリがないのでこのあたりにしておくが、つまり今年はどの球場へ行っても“世界一戦士”がいるわけで、プロ野球の楽しみ方が増えるのもWBCの魅力のひとつだろう。

 思えば1年半ほど前、このWBCへ向けて日本代表を任されることになった栗山英樹監督に「WBCで日本が勝つことは、この国の野球界にとってどのくらい必要で、日本代表とはどうあるべきだとお考えですか」と訊いたことがあった。そのときの栗山監督の言葉を今、あらためて噛み締めてみた。

「日本中の男の子、女の子、みんなに『カッコいいな』『こんなふうになりたい』『こういう舞台で野球をやりたい』と思わせることが日本代表に課せられた責任だと考えています。次の世代に野球というものをいかにつないでいくか。先輩たちが・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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