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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「30年を超えてなお昭和の野球好きに愛される」

 

本塁打後のバンザイのパフォーマンスでも人気を博した巨人クロマティ。日本を愛したからこそ、ファンもまた、今なお助っ人たちを愛し続けている[写真=BBM]


 今から34年前の1989年、平成元年のプロ野球――このシーズン、両リーグの打撃タイトルはほぼ外国人選手が独占していた。セ・リーグの打点王はドラゴンズの落合博満だったのだが、ホームラン王はスワローズのラリー・パリッシュ、パ・リーグが(近鉄)バファローズのラルフ・ブライアントだった。パの打点王は(オリックス)ブレーブスのブーマー・ウェルズで、ブーマーは首位打者にも輝いている。セの首位打者はジャイアンツのウォーレン・クロマティで、両リーグのMVPもセがクロマティ、パがブライアントと、ともに外国人選手が選ばれた。

 メジャーで9年、1000試合以上に出場して、1000本以上のヒットを放ったクロマティ。センターの守備位置でチューインガムを膨らませ、スタンドの観客とバンザイ三唱をするなど、陽気なキャラと勝負強いバッティングで愛された。当時、インタビューしたクロマティはこう言っていた。

「バンザイはね、外野席でファンがそうしているのを見たんだ。あれは何、と訊いたら、チームメートが『日本の幸せのポーズで、必ず3回繰り返す』と教えてくれた。だからホームランを打ったときにやってみたら、ファンがビックリして喜んでくれた。だから次もやった。あのバンザイは僕と日本のファンをつないでくれたんだよ」

 メジャーで15年、256本のホームランを放ったパリッシュは入団会見のとき・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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