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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「価値ある準優勝も1点以上の大きな差」

 

49の地方大会で頂点に立った代表が集う甲子園。地方大会初戦を1点差の接戦で勝利した学校は9を数える[写真=BBM]


 今年、夏の甲子園を戦う高校は49校――地方大会の決勝で敗れたのも49校だ。それぞれの大会での準優勝に素晴らしい価値があることは言うまでもないのだが、甲子園に出られる優勝校と甲子園に出られなかった準優勝校には、天と地ほどの違いがある。

 しかも今年の地方大会の決勝では、1点差で敗れて甲子園出場を逃した高校が半分以上の25校もあった。1点届かずに敗れた選手にとって、あこがれの舞台で戦う同郷の球児たちを映し出す画面は見たくないに違いない。実際、「テレビはまったく見ませんでした」という話を甲子園に出られなかったプロ野球選手から何度も聞いたことがある。「最後の夏が終わったら海に行きたかった」という軽口とともに語られる彼らの言葉からは、当然、悔しさが垣間見える。

 そして、つい調子に乗ったこんな言葉もまた、甲子園とは無縁だった元球児たち(もちろんプロ選手ではない)から聞こえてきた。

「ウチだって、甲子園まであと一歩でしたからね」

 聞けば甲子園に出た高校に地方大会の初戦で負けた、というのである。その相手が勝ち進んで甲子園に出てくれたおかげで・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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