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石田雄太の閃球眼

石田雄太コラム「新球団の存在があぶり出す制度の思わぬ矛盾点」

 

新球団の存在により、戦力外通告を受けた選手たちの決断、選択がこれまでと変わっても不思議ではない[写真は昨年の12球団合同トライアウト。撮影=松田杏子]


 戦力外通告の季節である。

 NPBの12球団による戦力外通告は10月2日から日本シリーズ全日程終了の翌日まで続く。戦力外通告を受けた選手の中には、その後、育成選手としての再契約を打診される選手も少なくない。

 ただ、育成選手については今のままでいいとはどうしても思えない。そもそも育成選手制度は、70人の支配下選手枠について議論していた最中、緊急避難的に制度化された仕組みだ。取り入れてみたら旨みがあったため、そのままになっているのだが、今こそ制度設計を組み立て直す時期に来ているのではないだろうか。その理由は来年から静岡と新潟の球団が二軍のリーグ戦に参加するところにある。この2チームの存在が、このオフ、戦力外通告を受けた選手たちに波紋を広げているのである。

 なぜかといえば、育成に切り替えてNPBの球団と再契約するよりも、静岡と新潟に入ったほうがメリットがあるかもしれないからだ。これまではNPBの球団と育成契約を交わすことと、日本に21チームある独立リーグの球団と契約することを比較したら、ほとんどの選手がNPBの育成選手を選んでいた。しかし・・・

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石田雄太の閃球眼

石田雄太の閃球眼

ベースボールライター。1964年生まれ。名古屋市立菊里高等学校、青山学院大卒。NHKディレクターを経て独立。フリーランスの野球記者として綴った著書に『イチロー・インタビューズ激闘の軌跡2000-2019』『大谷翔平 野球翔年』『平成野球30年の30人』などがある。

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