パ・リーグ4連覇を果たすなど、一時代を築いた阪急ブレーブスの中心を担った福本豊[写真左から2人目]、山田久志[同5人目]らの伝統は、時代を超え、オリックス・バファローズとなった今も受け継がれていく[写真=BBM]
愛すべき野球人がそろったブレーブス
高知と言えばカツオのタタキがあまりにも有名ではあるが、高知へ足を運ぶと「まっこと美味いぜよ〜」と勧められるものがある。
「ウツボ、知っちゅう? ウツボをタタキにすると美味いんじゃ」
タタキと言っても、ウツボはしっかりと火を通す。そうすることで堅かった身がしっとりとなり、香ばしく焼き上がった皮と渾然一体となって未体験ゾーンに引き込んでくれる。海のギャングと呼ばれるグロテスクな外見が信じられないほどの上品な味わいなのだ。
さらに高知と聞いて思い浮かぶのは、いかにも“昭和っぽい”とある光景である。半世紀ほど前のキャンプの時期、朝っぱらから選手たちの宿舎に、大音量で軍歌が響き渡っていたというのだ。
♪勝って来るぞと勇ましく、誓って故郷を出たからは〜
ご存知、『露営の歌』がモーニング
コールよろしく、ほぼ朝帰りの選手たちを叩き起こす。大音量の軍歌に叩き起こされたのは、高知で春季キャンプを行っていた阪急ブレーブスの選手たちだ。山田久志、福本豊、
加藤英司……昭和40年代、名将・
西本幸雄監督のもとでパ・リーグを5度も制しながら、V9の真っただ中だったジャイアンツを一度も倒せなかったブレーブス。しかし昭和50年代には・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン