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“今旬”プレーヤーを直撃! スポットライト・インタビュー

オリックス・杉本裕太郎インタビュー 豪打を呼ぶ8割の意識 「ファウルでいいし、当たれば何か起きる。そう思うことで、楽になった」

 

大器が6年目に花開きつつある。打球飛距離は群を抜くも確実性に欠けたが、今季は打率もアップし、得点圏打率も4割超で“四番”に定着。愛称“ラオウ”も浸透してきた男の意識は「振り過ぎない」だ。
取材・構成=鶴田成秀 写真=小山真司、BBM


起用されるからこそ


 190センチ104キロの体格は、外国人選手にも引けを取らず、芯でとらえた打球の飛距離は群を抜く。2016年の入団から豪快な打撃が持ち味も、心の変化で打席での意識も変わっていった。根底には、中嶋聡監督への感謝がある。

──5月14日に規定打席にも到達。打率3割超、8本塁打はリーグ上位と、打撃好調を維持しています。

杉本 開幕してすぐは、全然打てなくて、打率もゼロ割台で。そのときに比べたら多少リラックスして打席にも立てているのが大きいと思います。でも、数字を気にしていたら、あまり良い結果は出ない。それに、すぐに(数字は)落ちてくるとも思っていますから。気にはなるけど、なるべく気にしないようにしています。

──今までは気にし過ぎていた?

杉本 開幕直後の低かったときは意識し過ぎていたんです。それがアカンかったのかな、と。だから、気にはするけど、気にしない。そういう気持ちでいます。

──そもそも今季は一軍完走、そして1試合1安打を掲げて挑んだシーズンです。

杉本 はい。全部の打席で、打てればいいですけど。でも1日1本を意識しているからこそ、凡退してもしっかり切り替えて。ミスしたあとでも切り替えて。それが大事だと思っています。

──技術よりも“気持ちの変化”が好成績につながっているのでしょうか。

杉本 技術もメンタルとの連動ではあるんですけどね。どうしても打ちたい打ちたいと思い過ぎると、上体だけでボールを追いかけてしまう。そうならないためにも、下半身や体幹を使って打つ。気持ちと技術のバランスが、しっかり取れているのが大きいと思います。

──上体が突っ込んでいるかどうかが1つの調子のバロメーター、と。

杉本 そう思います。一番、チェックするのは、そこなので。上半身がピッチャー側に流れているか、いないか。要は「ボールをゆったりと見れているか」です。それができているときは、ボール球を見逃せるし、ミスショットも少なくなってきますから。打ちたい打ちたいと思い過ぎると、突っ込んでしまうので、注意してはいますが、あとは・・・

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