今季も苦しい戦いを強いられたチームの中で、大きな希望の光となっている。当たればボールがかっ飛んでいくのは証明済み。若き大砲には、チームをけん引する自覚も芽生えつつある。 取材・構成=杉浦多夢 写真=川口洋邦 ※成績・情報は9月24日時点 永遠の課題
まさに覚醒したと言っていいだろう。ボール球に手を出してはバットが空を切り続けた、昨年までの姿とは一変。高卒5年目にして秘めたるポテンシャルが花開き、打線をけん引する存在へと変貌を遂げている。自身も確実性、コンタクト率のアップには手応えを感じ、掲げた目標はクリアしつつあるものの、それでも満足感を得るには程遠い。「まだまだ」という気持ちこそが原動力だ。 ――9月16日の
ソフトバンク戦(エスコンF)では先頭打者&サヨナラ弾という史上2人目の離れ業を見せてくれました。
万波 最高でした。うれしいですね。(サヨナラ弾は一死一塁で)ゲッツー狙いの配球で来ると思っていたので、インコース、
シュート系、どんぴしゃでいいスイングができました。先頭打者本塁打は、一番で使ってもらっている中で、なかなかチームに勢いをつける1打席目というのがなかったので、そういう意味でも本当によかったです。
――今季は期待していた以上の結果が出ているのではないでしょうか。
万波 シーズン当初に立てた目標に、個人的にはしっかり近づけているシーズンかなと思いますね。残る試合で、しっかり達成して終わりたいです。
――シーズン当初の目標とは。
万波 打率は2割6分、ホームランは25本から30本、フォアボールも40個を目指してシーズンに入りました。打率に関しては目標を上回っていますし、ホームランはもうひと踏ん張りという感じですね。手応えとしてはそんな感じです。
――手応えという部分で昨年までとの一番大きな違いは何でしょうか。
万波 やっぱり一番大きいのはヒットの数と、打率が上がっているということ。単純に、バットにボールを当てる確率が上がったというのは間違いないと思うんで。それでもホームランの数だったり、長打率だったり、フォアボールの数というのは、もっともっと頑張っていきたいところです。想定どおりの数字ではあるんですけど、自分の中で、期待以上には数字を伸ばしていないな、という感じなので。もっとできる、というか、もっとすごい選手になりたいですね。
――実際、ゾーン別スイング率を見てもボール球には手を出さなくなったというデータがあります。
万波 今までの自分と比べてというところで言ったら・・・
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