楽天の中堅と右翼はほぼ固定、その前評判を覆し開幕から7戦目、右翼で今季初スタメンをつかんだ。開幕直後から手応えを感じる日々が続いているのは、経験値か練習の成果か――。点と点がつながり、歯車がかみ合い出した背番号50には今、覚醒の予感が漂っている。 取材・構成=阿部ちはる 写真=大泉謙也、川口洋邦 準備がプレーに余裕をつくる
中堅にはゴールデン・グラブ賞4度受賞の辰己涼介、右翼には昨季12球団唯一のフルイニング出場を果たした小郷裕哉と、楽天の外野手のレギュラー争いは熾烈(しれつ)を極めている。その状況下にありながら、6年目の武藤敦貴は高い守備力と俊足を生かし4年ぶりの開幕一軍を勝ち取った。そして4月6日のロッテ戦(ZOZOマリン)で今季初スタメンを果たすなど辰己、小郷が不振に苦しむ間、出場数を増やしている。 ――4月6日のロッテ戦にライトで先発出場すると、その4回にはヒットで出塁し、盗塁。その後ワンヒットで生還と武藤選手の長所を存分に生かしたプレーで勝利に貢献しました。
武藤 今季初スタメンではありましたが、打順も九番でしたのであまり気負わずに試合には入れました。また宗山(
宗山塁)の状態が良かったので、そこにいい形でつなげてかえしてもらえるようにというのは意識していましたね。4回の得点した場面はそれが形になって(結果に)出たのが、すごく良かったのかなと思います。
――足を生かそうという意識がプレーからも伝わってきました。
武藤 走塁の意識に関しては常に持っているので、そこがその日の宗山とすごくマッチしましたね。
――昨年フルイニング出場している小郷選手に代わってスタメン出場することにプレッシャーは感じなかったですか?
武藤 特にはなかったのですが、僕はいつチャンスが来るか分からない状況が多いので、そのチャンスが来たときには『少しでも爪痕残したろ!』という気持ちはありました。
――開幕から、代走や守備固めなどあらゆる状況での出場が続く中、打撃でも結果を残していたからこそつかんだスタメンでした。
武藤 そうですね。ただ最近は打撃に関してはあまり……、状態はいいのですが結果が伴っていないので、そこは自分を信じてやっていきながら、それ以外の部分でしっかりと自分の役割と言いますか、出たときに場面に応じた最高のパフォーマンスができればなと思っています。
――
三木肇監督は毎日打順やスタメンを入れ替えていますが、準備の難しさは感じていますか?
武藤 僕は長い時間、二軍で監督と一緒に野球をさせていただいて、監督のやりたいこととか、今どんなことを考えているのかというのは少しずつ分かってきた気はしています。今は一軍で・・・
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