44試合出場で20盗塁をマークして衝撃を与えたルーキーイヤーの姿を取り戻しつつある。移籍2年目の今季、開幕スタメンの座をつかむと、サヨナラ打を放つド派手なスタート。スピード感あふれるプレーでチームに勢いをもたらしている。 ※成績・情報は5月8日現在
取材・構成=杉浦多夢 写真=桜井ひとし、BBM 経験こそ成長の源
途中移籍で西武から加入した昨季、一軍戦力として躍動しながらシーズン終盤に自然気胸に見舞われ、リーグ優勝の輪に加わることができなかった。悔しさを胸に迎えた今季、チームメートのアクシデントを自らのチャンスに変え、レギュラーの座をつかみ取ろうとしている。 ――今季は開幕戦でサヨナラ打という絶好のスタートを切りました。
若林 大きな一打でしたね。何も考えずに集中して行けたのがよかったと思います。開幕戦での4安打は出来過ぎ、じゃないですけど、とりあえず1本出てよかったなという感じです。昨年は開幕してからまったく出なかったので(21打席目で初安打)、気持ち的に楽になりました。
――昨年は途中移籍後に一軍戦力となりましたが、自然気胸というアクシデントで優勝の瞬間に立ち会えませんでした。
若林 本当に悔しかったですし、「何でだろう……」という気持ちが大きかったんですけど、切り替えて、高望みせず、まずは普通にプレーできるように回復できればいいと思ってやってきましたね。
――キャンプは二軍スタートでしたが、最後は開幕スタメンを勝ち取りました。
若林 丸さん(
丸佳浩)が急にケガをされてしまって、開幕スタメンだと言われたときは「マジか!」って感じだったんですけど。「こんなに急に来るのか」と。ただ、オープン戦では2度スタメンで出してもらっていて、開幕直前の試合(3月23日の
ロッテ戦、東京ドーム)ではいい感じのヒットが出ていたので、「あとはやるだけだな」という気持ちになっていました。
――しっかり結果を出し、その後もスタメン起用が続いています。
若林「チャンスをつかむぞ」というよりは、1試合1試合で自分のベストが出せるように。試合で経験を積むことで少しずつ成長につながる、つながっていると思うので、スタメンを経験させてもらって本当に感謝しています。
――成長を感じる部分とは。
若林 運もありますけど、出塁が多くできているというのは、やっぱりチームの勝ちに多少なりとも貢献できているのかなと思います。打席に応じて心にゆとりや余裕を持って、強振していくべきところ、コンタクトしていくべきところという使い分けが、まだまだ全然完璧ではないんですけど、自分の中で幅が広がってきているのかなと思います。
――オフからキャンプにかけて打撃面で技術的なアプローチや取り組みの変化はあったのでしょうか。
若林 いや、そうした部分は試合で経験を積むことでしか得られない部分なのかなと思います。だからこそ・・・
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