豪快な打撃と明るいキャラクターで、ムードメーカー的存在となりつつある。昨季は得点力不足に泣いた打線にとって、強力な起爆剤だ。来日1年目の背番号61が、破壊力抜群のバットでチームを押し上げる。 取材・構成=相原礼以奈 写真=井沢雄一郎、桜井ひとし、横山健太
※成績・情報は6月26日現在 右肩上がりの存在感
オープン戦では16試合に出場も43打数7安打4打点、打率.163と不本意な結果に終わった。しかし、シーズンに入ると徐々に調子を上げ、セ・リーグの打率トップを争うほどに。6月も打撃好調。6月18日のソフトバンクとの交流戦(マツダ広島)は逆転のグランドスラムでチームを勝利に導き、交流戦での打点15は単独1位と、存在感は右肩上がりだ。活躍の陰には、常に学び、経験と周囲の助言を糧とする真摯な姿勢があった。 ――開幕から現在まで、打撃好調の要因を、ご自身ではどう感じていますか?
ファビアン 今までやってきたこと、もらったアドバイスを全部まとめて、試合で出せていると思います。練習でやっていることがいい結果につながっていて、すごくうれしいです。
――チャンスでの頼もしさも見せています(打点38はセ・リーグ5位)。
ファビアン 毎回、どのような場面で打席が回ってくるかは分かりませんが、その都度、場面を見て、ランナーがいないときは、ヒットでもフォアボールでも、とにかくどんな形でも絶対に塁に出ることを考えて打席に立つようにしています。ランナーとして塁に出ることができれば、チャンスにつながりますから。チャンスで回ってきたら、絶対にランナーを返すという、自分の仕事をやらないといけない。つなぐ気持ちを持って打席に入ります。
――来日から約6カ月、日本の野球にはどのように慣れてきましたか。
ファビアン もちろん、アメリカの野球との違いがあるので、日本の野球に慣れなくちゃいけないことは分かっていました。日本に来て、まず、一番困ったのは寒さです。寒さはすごく苦手です。キャンプ中は寒くて、そこでは自分のスイングも、普段ならできていることも完璧にはできませんでした。あとは、ピッチャーがいろいろなタイミングで投げることに慣れようと取り組んできました。日本で対戦する投手は変化球がメチャメチャ細かいですし、コントロールもいい。でも、自分の中ではポジティブに考えて、最初はあまり結果が出せなかったですが、前向きに練習をしてきました。おかげで、シーズンに入って以降は、ずいぶん変わりました。これからもっと、結果に表れてくると思います。
――「アジャストが早い」ということを、
新井貴浩監督も評価していました。
ファビアン 新井監督にそう言われていることは、すごくうれしいです。監督はとてもコミュニケーションが取りやすい方で、最初に調子が出なかったときも、気にせず「大丈夫、慣れるから。勉強してほしい」と言ってくれていました。本当に自信を持つことができましたし、悪いときでもプレッシャーを感じずにできたのが、メチャメチャ良かったです。
――監督の言葉も、自分のプレーができることにつながっていますか。
ファビアン なかなか、ああして選手と明るくコミュニケーションを取れる監督はいません。「ちゃんとやって!」と、すごく厳しい人が多いと思う。新井監督は、いいときでも悪いときでも変わらなくて、すごくありがたく思います。監督がそういう感じでいてくれることが、一番大事だと思います。
――周囲からのアドバイスで、力になっているのは、どんなものがありますか。
ファビアン 秋山(
秋山翔吾)選手からは・・・
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