一軍昇格直後にサヨナラ打を放つなどド派手な活躍を見せ、一気にレギュラーへと名乗りを上げた。年下の選手も増えてきた高卒6年目。危機感を抱きながらもやるべきことに集中し地道に足場を固めてきた。その土壌に今季、大輪の花を咲かせようとしている。 取材・構成=阿部ちはる 写真=桜井ひとし、井田新輔、菅原淳 二軍で作った土台
今季のチームは日替わり打線、日替わりスタメンと確約されたポジションはない。群雄割拠の中、6年目の24歳がレギュラー奪取へ強い光を放っている。開幕こそ出遅れたが二軍で12試合に出場し打率.364をマークすると6月12日に一軍に昇格し7月24日時点で27試合出場で打率.300。得点圏打率は.368と勝負強さを発揮しスタメン出場を増やしている。浅村栄斗が打撃不振に陥るとクリーンアップに名を連ね、さらに昨季の二塁レギュラー・小深田大翔のポジションを奪う勢いを見せている。 ──春季キャンプ中の2月13日に上半身のコンディション不良のため離脱し、開幕は二軍スタートになりました。実戦復帰は5月21日のイースタン・
巨人戦(森林どり泉)でしたが、その間に同じ年の
武藤敦貴選手や
中島大輔選手が一軍で活躍。もどかしい日々を過ごしていたのではないでしょうか。
黒川 そうですね。同年代の選手が活躍していたので自分も早く一軍で活躍したいと悔しい気持ちはあったのですが、とにかく自分のやるべきことをきっちり1日1日やっていこうという思いでしたね。
──どんなことを意識して取り組んできたのでしょうか。
黒川 まずは体のことを一番に考えながら、その中で復帰したらすぐに試合に入っていけるような準備というか、自信を持って臨めるようにということは意識していました。しっかり準備をして二軍の試合でできるだけ早く結果を出して、一軍に早く呼ばれるようにという考えではいました。
──黒川選手の昇格以降、一軍のベンチには若手の選手も増えていますね。
黒川 そうですね。ただ、同級生に限らず、ずっとファームで一緒にやっていた堀内(
堀内謙伍)さんや村林(
村林一輝)さん、小郷(
小郷裕哉)さんと一軍でプレーできていることは感慨深いですね。毎日二軍で試合に出ていて、一軍に上がりたいという気持ちで頑張ってきた先輩方が一軍に向けて準備をする姿を近くで見てきたので、試合に出続けている姿は刺激になりますし僕もそこに続きたいなと思っています。
──2019年から二軍で監督を務めてきた
三木肇監督ともずっと一緒にやってきていますから、恩返しの思いも強いと思います。
黒川 そうですね。監督は僕が1年目のときからずっと一緒にやらせてもらっていて、怒られたこともありましたが、たくさん野球のことも教えてもらいました。長く三木監督の下でプレーする中でさまざまな引き出しも増えたなと感じています。
──監督からの言葉で印象に残っていることはありますか?
黒川 たくさんの話をさせていただき、めちゃくちゃいっぱいあるので一つには絞れませんが、『野球人として、プロ野球選手として、毎日試合がある中でどんなことに取り組み、どういう姿勢で野球をやっていくか(を考えるように)』とずっと言われてきたので・・・
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