身長172cmの小柄な右腕の心意気は頼もしい。トミー・ジョン手術を受ける投手が相次ぐ中でピンチの場面に登板する“火消し役”として奮闘。2年ぶりのリーグ優勝を目指す、勝負の8月戦線に欠かせぬ戦力なのは間違いない。背番号19は勝利のために腕を振り続ける。 取材・構成=鶴田成秀 写真=湯浅芳昭、佐藤真一、BBM 消えた悩みの種
冷静なマウンドさばきも、ピンチを無失点で封じれば感情を表に出す。小柄な右腕に宿る熱い思いは、チームを思うからこそ。それゆえの悩みも抱えていたが、一つの思いが、かき消した。 ──今季は中継ぎに専念と役割の徹底からスタートしたシーズンです。
山岡 昨年秋の高知キャンプで、マモさん(
岸田護監督)に言われてスタートして。それが大きかったですね。作れる時間があったというか、準備する期間があったというか。(先発・中継ぎの)どっちつかずで春のキャンプを迎えるのは正直、難しかったので。
──2023年の後半戦から救援を担った経験を持っていても?
山岡 試合の登板の準備という面では、難しさは感じていないですよ。先発のときも試合前のブルペンで球数を多く投げてマウンドに上がっていたので、最初は少ない球数で登板することに戸惑ったというか、不安もあったんですけど。これで大丈夫なのかなって。でも、意外と投げられるもの。それが分かったので不安もなくなりましたから。準備は難しくないというより、理解している。ただ、あの年(23年)は、心のどこかで思っていたんですよ。
──と言うのは。
山岡 中継ぎをやっているけど、また先発に戻ることもあるのかなって。
──覚悟を持ち切れていなかった、と。
山岡 う〜ん……、そういうことになってしまいますよね。いろんなところを見てしまっていたんです。仮に先発陣が安定しないチーム状況になれば、「先発に」と言われるのかな、先発をやっても中継ぎが不安定になったら「中継ぎを」と言われるのかな、と。首脳陣から何も言われていないのに、勝手に思い込んでいて。でも、今年は明確に役割を与えてもらっているので、変な考えがないんです。
──どっしり構えられたわけですね。
山岡 いつ(マウンドに)行くか分からない中継ぎというポジションの中で、そういう心の持ちようになれたのは、本当に大きいと思うんです。
──特に今季はピンチの火消しの場面での起用が多いです。
山岡 やりがいを感じますよね。やっぱり、試合の流れを止めるというのもありますし、試合の流れを変えるというのもある。それに・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン