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THE HEROES 熱球インタビュー

DeNA・宮城滝太インタビュー 堂々とマウンドへ「今はフルカウントでも自信を持ってカーブを投げられます」

 

2023年に一軍初マウンドを経験し、飛躍が期待された昨季は1試合のみの登板に終わった。しかし、今季は開幕から一軍に帯同すると、ここまで36試合に登板しブルペンを支えている。その原動力となっているのが、「カーブ」。初見の打者は大きく体をのけぞることさえあるこの変化球を軸に、堂々とマウンドへ向かっていく。
取材・構成=早川大介 写真=菅原淳、大賀章好、川口洋邦


カーブがあってこそ


 昨年、ケガをしたことで、改めてフィジカル面を見つめ直し、強化してきたことで、これまでも投げていたカーブが、今季は驚くほどに利いている。カウントを取りに行くも良し、決め球にするも良し。カーブは今や宮城の代名詞となった。

――今季、ここまで自身の投球を振り返っていかがですか。

宮城 シーズン前に掲げた「40登板」という目標には着々と近づいているので、そこはポジティブに捉えています。

――その目標を掲げた背景には、どんな思いがあったのでしょうか。

宮城 シーズン前から手応えはありましたが、でもそれ以上に「今年やらないと終わる」と思っていたんです。最後のシーズンのつもりで、オフからずっとやってきました。40登板は、一軍でほとんど投げたことがなかった自分にとって大き過ぎる目標でしたが、それを掲げることで自分にプレッシャーをかけました。

――その目標を達成するために、オフはどんなことに取り組みましたか。

宮城 一番力を入れたのはフィジカルです。去年は右足のハムストリングをケガして、動きが本来の“縦”から“横”に変わってしまって、自分の良さを全然出せなかった。だから下半身からつくり直して、体幹も含めて全身をうまく使えるようにしました。併せてメンタル面も見直したんです。技術にはある程度自信がありましたが、体とメンタルがかみ合っていなかったので。

――宮城投手の投球フォームは、ホームベース側へ移動する幅が他の投手に比べて狭いように見えますが、フォームの縦の使い方を意識した強化は投球フォーム自体とも関係があるのでしょうか。

宮城 それは特にないですね。フォーム自体は昔から投げていたものと変わっていません。ただ、縦の幅を使うタイプって、右投げであれば重心がホームベース側の左半身に乗る人が多いと思うんですけど、僕はカーブを投げるので、右半身に残したほうがいいんです。

――そのカーブ、今季はかなり利いているように感じます。

宮城 はい。カーブはコントロールが良くなったのが大きいですね。投げたいところに投げられるようになった。それが一番の要因かなと思っています。

――カーブでカウントも取れるようになったそうですね。ちなみにどのように握っているのでしょうか。

宮城 オーソドックスな握り方だと思います。ボールをしっかり握り込んでロックする感覚です。投げるときは耳の後ろあたりでリリースして、そこから腕を手前に引くようなイメージです。今シーズンはカーブが良くなったことで・・・

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