12球団の旬なプレーヤーを取り上げるシリーズ連載が、レギュラーシーズン開幕とともにスタート。第1回は「投打二刀流」として入団した入団4年目の若武者だ。昨季からは外野手に専念し、さらなる飛躍を誓う若きスピードスターに迫った。 取材・構成=多田まりや 写真=桜井ひとし、高原由佳、兼村竜介 流れを変える走塁技術
日体大時代から投手と外野手の二刀流で注目され、2023年ドラフト1位で入団した。プロ入り後も投打を追い求めてきたが、昨季は外野手に専念。類まれなるスピードを武器に、自身最多の86試合に出場し、11盗塁を記録。勝負の4年目のシーズンにつなげる活躍を見せた。 ――26年も投手登録のままですが、昨季同様、外野手でプレーされています。改めて今季の位置づけを教えてください。
矢澤 外野手1本で、レギュラーを獲りにいくシーズンになると思います。
――「投手・矢澤」に対する気持ちは現時点でどれぐらい残っていますか。
矢澤 本当に、今は外野での定位置奪取しか考えていないです。栗山(
栗山英樹)CBOとも話をするときがありますが、「レギュラーを獲った先にできることが広がるかもしれない。まず、外野手としてレギュラーを獲ろう」と言ってくださっているので、達成するまでピッチャーのことはまったく考えていません。
――昨年は自己最多86試合に出場し、キャリアハイの数字を残しました。
矢澤 1カ月ほど、ケガによる離脱もあり、1年を通してプレーできなかった。まずはそこを回避したいです。プレーの面では、打撃成績が満足のいく数字ではなかったです。ただ、過去2年のプレーからしてみれば、成長を感じられたシーズンでもあり、もっとレベルの高い中でやっていかないと、ファイターズの外野手としては試合に出られない。さらに結果も求めてやっていきたいと思いました。
――成長を感じた部分とは、どこですか。
矢澤 バッティングでは、再現性の大切さを念頭にしていました。毎試合、スタメンで出場するわけでもなかったですが、スポットで先発起用していただいたときに、マルチ安打を放つことができたんです。好調時の状態をキープできたのは良かったかなと。走塁面では緊迫した場面で盗塁を決めることができました。ただがむしゃらにスタートを切るのではなく、アウトカウント、ボールカウントの状況や相手投手のクセなど、一塁コーチともコミュニケーションを取る中で仕掛けられたのは、内容も伴っていたと思います。
――盗塁と言えば、昨年5月31日の
ロッテ戦(エスコンF)が印象的でした。9回裏に代打で同点適時打を放ち、二盗で好機を広げ、サヨナラの生還をしました。
矢澤 ネクストに行くように指示があり、代打の準備をしていて、塁に出たらもう、走ると決めていました。絶対アウトになってはいけない展開でしたが準備も100%できていたので、それなりに自信はありました。ただ、走るよりも前に、代打としての準備があったので、そちらが大丈夫かなとちょっと不安でしたね。
――2点を追う9回裏二死二、三塁。今、思い返しても、しびれる場面でした。
矢澤 打った喜びは本当に一瞬。出塁したら走らないといけない気持ちになりましたし、バッターの郡司(
郡司裕也)さんは、多分僕の盗塁を待ってくれている状況だったので、少しでも早く、得点圏に進まないといけない。でもアウトになってはいけない。より確実に決める必要がある中で、スタートを切る形になりました。
――10月12日、
オリックスとのクライマックスシリーズ(CS)ファーストステージ第2戦(エスコンF)もインパクト十分でした。1点を追う8回裏、二死一、二塁から
レイエス選手が右翼フェンス直撃の適時打。二走・
細川凌平選手に続いて、一走・矢澤選手も一気に本塁生還。逆転に成功したシーンは強烈でした。
矢澤 3ボール2ストライクのフルカウント、自動スタートという中で・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン