メダルセレモニーのあと、内野手の面々と記念撮影。首から提げる金メダルは、坂本勇人に「かけてください」とかけられたものだ[写真=Getty Images]
内野陣は大会無失策
ホッとしました。もう、この一言に尽きます。
稲葉篤紀監督率いる、この日本代表が立ち上がった2017年からコーチとしてチームにかかわらせていただき、「オリンピックで金メダル」を最大のターゲットにこの日まで活動をしてきました。大会を制した喜びはもちろんあるのですが、とにかく今は安堵(あんど)感に包まれています。
決勝のアメリカ戦(8月7日、横浜スタジアム)は、テレビの前で応援してくれているファンの皆さん、そして戦っている選手には申し訳ないのですが、8回の日本の攻撃(※貴重な2点目を加えました)を終えるまで、ずっと「そんなわけがない」、「このまま終わるはずがない」と心の中で繰り返していました。冷静さを保っておかないと、状況が急変したときに「さあ、どうする?」では遅いですからね。さまざまな局面を想定して、あわてず対処ができるように。マイナスのイメージも膨らませて、気づいたときには9回でした。意外と慎重に考えていたほうが、事がうまく運ぶのかもしれません。
アメリカはグループステージでは日本とは別組(日本はA)でした。私は大会期間中、他国の試合も可能な限り横浜スタジアムで視察をしているのですが、アメリカは試合を重ねるごとにバットが振れてきたな、と感じていました。それは日本も同じで、互いに3試合目だったノックアウトステージ初戦(8月2日)は、点を取り合って7対6です。決勝はそのイメージもあって、完封勝利は想像していませんでした。あの打線を抑えたということは、先発の
森下暢仁が良かったということですし、日本のリリーフ陣もアメリカ打線を上回るキレ、自由なスイングをさせない制球力があったということ。勢いに乗れば・・・
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