【タテのカットボールの握り】 球種を覚えたあとは、どうピッチングに組み込んでいくか。
前回(6月27日号)紹介したタテのカットボールも、使い方次第で自分の投球を助ける球種となります。もちろん、注意することもあり、闇雲にボールを投げていては、せっかく投げられるようになった球種を生かし切れません。しっかり球種の特徴を理解し、バッターのタイプや傾向、さらに、ほかの球種と組み合わせることで、タテのカットボールはより生きていきます。そもそも、この球種は空振りもファウルも奪えてゴロを打たせることができる“万能球”。使い方さえ間違えなければ、便利な球種なんです。
万能球となる理由
まず、タテのカットボールを使う上での大前提が、バッターに真っすぐと思わせること。または、真っすぐを待っているバッターに対して有効ということです。これは、
前々回(5月9日号)に紹介したヨコのカットボールにも通じること。ただ、ヨコとタテの大きな違いは、ヨコのカットボールは、その日の真っすぐが走っているかなどの調子を踏まえる必要があったのに対して、タテは、その必要がないことです。
というのも、前回、投げ方で説明したように、人さし指で投げることが大事になるので、指先の力の伝え方は真っすぐに似ているんです(冒頭にタテのカットボールの握りを再掲載)。なので、真っすぐの調子を気にする必要はなく、自然と真っすぐの調子とタテのカットボールの調子は連動してきます。
だから、ファウルも空振りも奪いやすくなる。真っすぐに近い球種のため、バッターが「真っすぐだ!」と打ちにきたときに、ボールが下に落ち、微妙にタイミングが外れてファウルになったり、空振りしたりする。バットに当たって前に打球が飛んでも内野ゴロになることが多いんです。これが“万能球”となる理由。
ただ、「見逃しでストライクを奪おう」とは思ってはいけません。そう考えると、どうしても腕が振れなくなり、ボールを置きにいってしまう。すると、リリースした瞬間からボールの軌道がストレートと極端に変わってしまいます。軌道に山ができると言えば伝わりますでしょうか。そもそも、バッターにストレートと思わせることでバットの芯を外す、もしくは空振りを奪う球種。バッターの思考が「ストレートではない=変化球」となった時点で、効力がなくなってしまうんです。
ましてや腕を振らずにボールを置きにいってしまうと・・・
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