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山岡泰輔コラム

第15回 カーブの使い方「カーブを待っているバッターはほぼいない。思い切り腕を振れば次の選択につながる」

 

【カーブの握り】

 皆さんは、どのような意識でカーブを投げていますか。僕は前回(5月1日号)で話した『覚えた理由』とイコール。『タテのスライダーとの緩急差をつけたい』という狙いこそが使い方なんです。だからこそ、このカーブも“+α”を覚えると、よりピッチングの幅が広がっていく。+αとは『遅いカーブ』で、握り方も投げ方も同じですが、一つ意識を加えるのが、チェンジアップの投げ方(2021年6月7日号)で話したように『その場に置いてくる』という感覚です。これで『遅いカーブ』も投げられるようになれば、より有効に使うことができます。ただ、『遅いカーブ』を投げる上では腕が緩むのは仕方ないこと。バッター心理を逆手にとれば、緩んでも問題はありません。それでは、具体的に使い方を説明していきましょう。

有効に使える打者なのかタイプの見極めも重要


 カウント球でも決め球でも、どちらでも使えるのがカーブ。というのも、そもそも複数球種を持っている投手に対して、カーブを待っているバッターはほとんどいないからです。なぜ、そう言い切れるのか。バッター目線で考えてみてください。『150キロのストレート』と『120キロのカーブ』の2球種に対して、スイングを始動してボールをとらえる時間は、『150キロのストレート』のほうが短いのは当たり前。だから、バッターは早く始動しなければ対応できないストレートに合わせて待っているのが一般的なんです。遅いカーブに合わせていると、ストレートに差し込まれて対応できないわけですからね。

 だから、どのタイミングで投げてもバッターが待っていることはほとんどありません。ほかの球種よりもスピードが遅く、緩いボールなので・・・

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山岡泰輔の変化球ノート

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多彩な変化球を巧みに投じる右腕が“変化球の極意”を明かしていく不定期連載コラム。

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