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山岡泰輔コラム

山岡泰輔コラム 最終回 パームの使い方「使える球種かどうかは、バッターのレベル次第でもある」

 

【パームの握り】

 僕はパームもチェンジアップとして使っていると、前回(6月12日号)話したように、基本的な使い方はチェンジアップと同じ。絶対的な違いは、前回の繰り返しになりますが、『回転の有無』です。チェンジアップはストレートと同じ、タテ回転しているのに対し、パームはほぼ無回転。まずは、この違いを理解することが、使い方につながっていきます。

 そして、頭に入れておいてほしいことが、もう一つ。これはパームを使っていいかどうかを判断するポイントにもなりますが、『遅いボール』ということです。球速が遅いボールなので当然、バッターの手元にボールが行くのも、ストレートなどのスピードボールよりも時間がかかります。つまり、物理的にバッターは球種を判断し、コースや高低も見極めてスイングする時間が長く取れるわけです。なので、相手バッターが何を待っているか分からない初球に投げる場合は、勇気がいる。チェンジアップでも同じことが言えますが、チェンジアップはタテ回転している分だけ、ストレートと判断を誤る可能性がありますが、パームはほぼ無回転のため、変化球とすぐに判断されてしまうことがあるんです。ただし、バッターによっては、パームを初球に投げても問題ないことがある。では、それは、どんなバッターなのかを説明しましょう。

使えるかどうかは打者の“始動”次第


 見るべきポイントは、バッターがスイングする始動の早さです。下の画像を見てください。ボールの回転を見て判断するバッターは、リリース直後にスイングを始動する、もしくはスイングすることをやめます。この動きが早ければ早いほど、回転を見て判断している可能性が高いんです。

 こういうバッターに、ほぼ無回転のパームを投げれば対応されやすい。見逃してくれれば事なきを得ますが・・・

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山岡泰輔の変化球ノート

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多彩な変化球を巧みに投じる右腕が“変化球の極意”を明かしていく不定期連載コラム。

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