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栗山巧 ROAD to 2000HITs

栗山巧コラム 球団生え抜き初の2000安打達成。偉大な大先輩の背中を追ってきた結果「あのとき1本出てへんかったらどうなっていたんやろうと思います」

 

2000安打まで残り74本で迎えた2021年シーズン。西武球団初となる生え抜きの大記録へ突き進む20年目のベテラン・栗山巧の姿を追う。
※記録は9月4日現在

2021.8.13〜9.4 通算2000安打

西武・栗山巧[代表撮影]


込み上げたうれしさ


 節目の安打は見事な一打だった。9月4日の楽天戦(楽天生命パーク)。9回一死で打席に入った栗山巧はカウント1−2から元チームメートの牧田和久のカーブを鮮やかに左前に打ち返した。球団生え抜きで初の、史上54人目の2000安打。20年目を迎えた打撃職人は一塁ベース上で喜びをかみ締めた。

9月4日の楽天戦[楽天生命パーク]、9回に左前打を放ち2000安打を達成


 今シーズン中に達成したいと思っていましたので、良かったです。ホッとしています。まだあまり実感がなくて、こんな感じなんだな、というのが正直なところですね。相手が牧田だったので、ホームラン打ちたかったんですけどね!

 おかわり(中村剛也)が花束を笑顔で持ってきてくれたので、なんだかお互いぎこちなかったですけど、「ありがとう!」と言って花束を受け取りました。試合でも、ライオンズ側のライトスタンド、それから三塁側にも僕のタオルを掲げてくれている方々の姿が目に入りました。あの風景を見て、本当にうれしさが込み上げてきました。いつもファンの方からは本当に力をもらっています。

 ヒット1本を打つのは本当に難しくて、でも「何とかなるだろうな」とは思っていたので、そういう意味で重圧は感じませんでした。チームメートのみんなも、おめでとうと声を掛けてくれましたのでうれしかったです。辻(辻発彦)監督もベンチの前に出てきてくれて、おめでとうと声を掛けてくれましたので、思い出に残ると思います。

 たまたま自分が球団生え抜きでは初めてになりましたが、偉大な大先輩たちの背中を追ってきた結果だと思っています。入団からずっと応援してくれているファンの方、最近応援し始めてくれたファンの方、さまざまな方がいらっしゃると思いますが、皆さんからこれからも応援していただけるような選手であり続けたいです。支えてくれた家族には、「これからも頑張ります」と伝えたいですね。

印象深い初安打


 単なる2000分の1ではなかった。2004年シーズン最終戦、9月24日の近鉄戦(大阪ドーム)。3年目で初の一軍昇格を果たして実家に涙声で喜びを伝えたという栗山は、九番・左翼でスタメン出場すると第3打席で小池秀郎から右前打を放ち、プロの世界に「1」の数字を刻んだ。

 やはり、サヨナラ安打やサヨナラ本塁打もありますが1本目はすごく印象に残っていますね。1つ上の中島(中島裕之、現・宏之、巨人)さんや同期のおかわりも一軍の試合に出始めていて、いい選手もたくさんいましたから。シーズン最終戦にお試しで僕が呼ばれて。あのとき1本出てへんかったらどうなっていたんやろうと思います。ダメだったら、次の年にチャンスをもらえないですよね。1本ボテボテでもいいから打つことによって、「じゃあ、春季キャンプに呼んでみようか」となります。実際に次の4年目に初めて一軍キャンプに参加し、その年は84試合に出場することができましたから。

 とにかくヒットが出たという実感が得られたので、チャンスがあればこういう形で積み重ねていけるのかなと思いましたね。当時は・・・

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