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日本ハム・堀瑞輝インタビュー “豆腐”から鋼のメンタルへ「慌てることなく落ち着いて投げられるようになりました」

 

入団5年目、ある程度の経験を踏んできた。「次に来る!」ニューフェースをピックアップするこの連載には、少々、似つかわしくない存在かもしれないが、ファイターズのリリーフで存在感を増す左腕には、今シーズン、大活躍する理由を聞いておきたかった。
取材・構成=滝川和臣 写真=小山真司、BBM

今季、27試合登板&13ホールドは、ともにチーム最多


考え方一つで視界が開けた


 貴重な中継ぎ左腕として、2020年は45試合に登板し実績は積んできた。しかし、今一つ殻を破れないでいた堀瑞輝の課題は気持ちの弱さにあった。昨年オフの契約更改後の会見ではチームメートから「豆腐のメンタル」と揶揄(やゆ)されていることを苦笑交じりで語り、「もう少し硬いもので例えられるように……」と弱点克服を誓っていた。迎えた今シーズン。背番号34は自信あふれる表情で日本ハムのブルペンを支えている。

──ここまで13ホールド。昨季の14ホールドを上回る勢いです。率直な感想は(成績は6月13日時点)。

 数字を見れば、自分でも納得できるような数字ではあると思います。

──防御率も昨季の4.19から2.57と大幅に改善していますが、要因はどこにあると自己分析していますか。

 自分の中で考え方がすごく変わりました。昨年までは完璧を求め過ぎて「打たれたくない」「走者を出したくない」と考えていたんです。でも、今は「別に走者を出してもいいや」と考えられるようになりました。「ホームに走者をかえさなければいいんだ」と。そう考えられるようになったとき、慌てることなく落ち着いて投げられるようになりました。それが数字につながっているように思います。

──3者凡退で終わることにこだわっていない。

 そうですね。3人で終わることができればベストですが、そればかりにこだわり過ぎずに、「点を取られなければいい」と割り切った考え方ができるようになったのが大きいです。

──12月、契約更改後に「豆腐のメンタルを克服したい」とも語っていましたが、精神的な弱さを感じさせることなく、堂々と投げている印象です。

 マウンドでは自分を追い込んでしまうところがありました。それが弱さにつながっていたような気がしますが、今年は開き直りというか、そういうイメージを持つことができています。

──思考を変えるきっかけがあったんでしょうか。

 自主トレのときに宮さん(宮西尚生)にそうアドバイスをもらって、「確かに、そうだよな」と気持ちが軽くなるような感じがしました。

──キレのあるストレートは鞭(むち)のようにしなって、体に巻き付くような腕の振りから生み出されているようです。

 技術的な面では“横の時間を長くすること”を意識したフォームで投げるようにしています。投げる際に、なるべく・・・

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