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オリックス・紅林弘太郎インタビュー 目指すは“無”の境地「打っているときは、変な迷いがないんです」

 

育てながら勝つ――。中嶋聡監督が進む道の象徴となりつつある19歳。開幕スタメンで始まった2年目は、勉強の毎日だ。長打力も光る“大型・遊撃手”は経験をムダにすることなく、勝負のグラウンドで“無心”となるため、自分と向き合い続ける。
取材・構成=鶴田成秀 写真=佐藤真一


フォーム変更も微調整 緊張から得た準備の意識


 開幕スタメンの期待に応えるように、一軍で奮闘する高卒2年目の19歳。日々、得ている経験を財産とし、少しずつ結果に結び付けている。打率は2割台前半ながら、打席での意識を聞けば、さらなる飛躍にも期待がふくらんでいく。

──2年目の今季が開幕して3カ月が経ち、一軍で感じることも多いと思います。

紅林 まずは監督に毎試合、毎試合、使っていただいているので、いい経験をさせていただいていると思っています。でも課題ばかりで。というか、課題しかないんです(苦笑)。

──打撃ではフォームを変えて挑んだ今季でしたが、意図したとおりには、いっていないところもあるのでしょうか。

紅林 僕の長所は長打力だと思うんです。でも、去年1年、プロの世界でやってみて、その長打がなかなか出なくて、当てにいく形になってしまって。ヒットが出ても単打ばかり。自分で自分に魅力がないなって思って、長所を生かせるように、フォームを変えたんですけど……。

──新フォームは足をあまり上げず、トップの位置も低くなりました。

紅林 そもそも僕はまだ体もできていないというか、筋肉も弱くて。去年までは(足を上げての)反動をつけ過ぎて、体を大きく振ってボールを飛ばそうとし過ぎていたんです。それで逆にバットが走らなくて、凡打が多かった。だから、シンプルなフォームにしよう、と。そういうイメ―ジなんです。

──ボールをとらえるコンタクト率を上げつつ、長打力もアップさせよう、と。

紅林 はい。だから、キャンプのときは、とにかく強いスイングを意識してやっていたんです。でも、オープン戦、公式戦になると、ピッチャーも仕上げてきて、ボールも全然違って。なかなかボールをとらえられなくて。そこから試行錯誤して、今はキャンプのときとフォームが少し違う。だから完成ではないんです。

──確かに、キャンプでは本塁にかぶさるように上体が前傾していましたが、今は、大きく倒れていません。

紅林 キャンプのときは、バットを振り上げるイメージだったんです。でも、そうすると高めは打てないし、変化球にはクルクル(バットが)回る。全然、当たらなくて、調整したんです。

──開幕から対戦カードがひと回りしてから、右方向への安打も出るようになり、対応力も見せていました。それも、フォームの調整の成果なのですね。

紅林 各球団と1カード対戦してみて・・・

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