週刊ベースボールONLINE

新鋭インタビュー NEXT UP!

巨人・直江大輔インタビュー 再スタートの先に見据えるもの――「体力的な不安はない。いかに信頼して長い回を任せてもらえるか」

 

 この期待感は何だろう。ダイナミックで魅力的なフォームに比例した力強いボール。あまりにも正統な本格派右腕の大きな可能性と、限りないスケール感から目を離すことができない。昨オフの手術、育成契約への切り替えを乗り越えて、一軍の舞台へ舞い戻った3年目右腕が、再スタートの先に見据えるものとは。
取材・構成=坂本匠 写真=榎本郁也、BBM

7月1日に一軍復帰。7回から3イニングを投げ、プロ初セーブをマークした。鋭い視線の先に、何を見る?


侍ジャパンに好投


 後半戦再開後の先発ローテーションを自らの手で手繰り寄せた。昨年10月に腰椎椎間板ヘルニアの手術を行い、今春は育成契約(背番号は「054」)で体を万全に戻すことからスタートも、リハビリを乗り越えて、6月28日に支配下再昇格をつかんだ。首脳陣、そしてファンから大きな期待を寄せられるのは、一軍デビューした昨季、3試合に先発し、勝ち星こそ得られなかったものの、堂々たるピッチングで十分な力があることを証明しているから。後半戦再開時点でセ・リーグトップの9勝を挙げる高橋優貴、同2位8勝の戸郷翔征と同じ2019年入団組。同期2人の活躍に刺激を受け、後半戦の活躍を誓う。

──ペナントレースが再開しました。前半戦終了直前に一軍復帰した直江選手にとって、重要な再スタートだと思います。

直江 後半戦の最初の先発ローテーションの1人に選んでいただいているので、絶対にチャンスを逃さないように。ペナントレースが終わるまで、ずっとローテーションで回りたいと考えているので、まずは初戦で「ローテーションを任せられるぞ」と思ってもらえるようなピッチングをすることが必要だと思っています。

──オリンピック期間中はまず侍ジャパンとの強化試合(7月25日、楽天生命パーク)に先発し、5回1失点の好投を見せます。立ち上がりに1点を失いましたが、のちに金メダルを獲得する打線を4イニング無失点に抑えました。どのような思いでこの試合に臨みましたか。

直江 とにかく自分の力を試すだけだと思ってマウンドには上がりました。結果は気にせず、思い切っていこうと。完ぺきではなかったですけど、投げながらいろいろ感じることができました。

──「感じること」とは。

直江 インコースを使うこと、しっかりとインコースを突いて見せておくことで、アウトコースのボールが生きることを再確認できました。オリンピックで金メダルを獲るようなレベルの人たちに対しても、ピッチングにおいての基本は通用することを感じることができたのは、本当に良かったと思います。ピッチングはただ投げればいいのではなくて、どれだけ相手にスイングをさせないか。コースを意識させることだけではなく、タイミングを外すこと、間合いの使い方など、いろいろ考えることができました。

──その後、エキシビション2試合([1]7月31日のオリックス戦、京セラドーム=7回2失点、[2]8月9日の日本ハム戦、函館=4回3失点)に先発登板し、結果を残すことで後半戦再開ローテをつかむことになります。

直江 侍ジャパンとの試合のピッチング内容次第で、次のエキシビションマッチの先発もあるぞと言われていたので、登板機会を絶対に生かそうと。

──あらかじめ決まっていた登板機会ではなかったのですね。結果を残すことで次の登板のチャンスを得る、という。

直江 そうです。テストという形で一軍に呼ばれていました。前半戦にローテーションで回って勝ってきた人たちとは立場が違います。一戦、一戦、結果を残していくことが求められていたと思います。例えば・・・

この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。

まずは体験!登録後7日間無料

登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。

若手インタビュー

若手インタビュー

ニューフェースにスポットを当てる連載インタビュー。

関連情報

新着 野球コラム

アクセス数ランキング

注目数ランキング