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吹けよ新風!2022への希望

日本ハム・高濱祐仁 どん底から成り上がれ「2ケタ背番号を取り戻すという気持ちを常に持っていた」

 

長打不足が深刻な日本ハムにおいて託された役割は明確だ。高濱が一皮剥(む)けることで打線は厚みを増し、貧打解消につながる。2019年オフの育成落ちから支配下再契約を経て、昨季は一軍定着と劇的なV字回復。新生ファイターズを背負う有望株が今季の展望を語る。
取材・構成=滝川和臣 写真=湯浅芳昭、井沢雄一郎、榎本郁也、高原由佳

3ケタから2ケタ背番号をもぎ取り、昨季一軍に定着。実績が評価され、今季は「91」を卒業し「31」を背負うことが決まっている


気持ちの持ちようで結果が変わった


 プロ7年目で一軍定着を果たし、大きな経験を積んだ高濱祐仁。今年の自主トレは、楽天に移籍した西川遥輝と沖縄で行う予定だという。自主トレ前に行ったこのインタビューでは、昨季キャリアハイとなる107試合に出場した手応えから、充実感をみなぎらせ、2022年への意欲をのぞかせた。21年日本一指揮官であるヤクルト高津臣吾監督が表紙を飾る小誌を片手に取材は始まった。

──日本シリーズはご覧になりましたか。

高濱 (雑誌をめくりながら)じっくりという感じではなかったですが、見ていました。接戦が多くてとてもいいシリーズでした。でも、一つのミスが試合の流れを大きく左右すると強く感じましたね。そういった部分は、自分のプレーにも生かしていきたいと思っています。

──オフには、兄・卓也さん(元ロッテ)が現役を引退されました。

高濱 昨年6月には一軍で同じ試合に出場して、初めて2人そろって安打を打つことができたんです(6月26日ロッテ戦=静岡)。でも、プロに入ってからは打撃の話とかは全然しませんでしたね。左打ちと右打ちで違うし、タイプ的にも似ていなかったので。あっちは理論派。僕は感覚派+ちょっと理論みたいな感じです。プロ野球選手であれば誰でもユニフォームを脱ぐときがきます。僕は兄ちゃんより長くプレーしたいなと思っています。兄ちゃんはプロで14年。僕はまだ7年。もっと頑張らないと。

──昨季は飛躍のシーズンとなりました。

高濱 チーム事情もあって試合に出られラッキーな面もありましたが、1年間、一軍で戦えたことは大きかったですし、その中で体力、技術の両方で課題も見つかりました。

──ラッキーと同時に、高濱選手がチャンスをつかんだ部分もありました。

高濱 シーズン序盤は代打が多く、一打席で結果を残すという強い気持ちを持ってやっていました。昨季は以前に比べてマイナスなことを考えずに、プラスのことばかりを考えようとプレーしてきました。代打で出場して1打席で凡退しても自分のせいじゃない、と割り切っていけました。それがいい方向につながった部分もあります。僕を使ったベンチが悪い、くらいに開き直っていましたね。

──プラス思考に至ったきっかけは。

高濱 過去にケガで欠場した際に・・・

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