投手として成長するために必要な5年間だった。昨季、中継ぎとして一軍に定着して、5つの白星を手にした。得られたもの、足りなかったものは自覚している。すべてを糧にして、6年目のシーズンに生かしてみせる。 取材・構成=阿部ちはる 写真=湯浅芳昭、井沢雄一郎、高塩隆 中継ぎで得た経験
2020年まで一軍登板はわずか1試合だった。それでも20年は二軍で14試合に登板しファーム日本選手権では先発を務めるなど結果を残すと、21年は中継ぎとして33試合に登板。シーズン終盤は重要な局面を任されるまでに成長を遂げた。その経験を糧に今季からは先発ローテ入りを目指していく。 ――昨季は飛躍を遂げた1年になりました。活躍の要因をどこに感じていますか。
西口 一番は真っすぐがすごく良くなったことが、ここまで投げられた要因だと思います。中継ぎで短いイニングを全力で投げることで球速が上がっていき、キャンプ、オープン戦では150キロ前後が出るようになりました。それによっていろんな変化球も生きてきたのかなと。これまでは右ヒジのケガもありましたし、二軍では先発していたということもあり、150キロがなかなか出なかったので。
――球速というのは西口投手にとって調子のバロメーターとなっている。
西口 これまで真っすぐは球速よりも自分の指の掛かりや相手の反応を見ていたのですが、球速も大事なのだと昨年あらためて感じました。スピードが出ることによって球威も増すのかなと思います。昨シーズン一番の手応えは、一番自信のある真っすぐがプロの一軍のバッターに通用したという点ですね。
――一軍で活躍するにはさらに真っすぐを極めていきたい。
西口 そうですね。先発でやるには高めばかり投げていると長打の可能性もあるので、高めにいっているボールを球威はそのままで低めに、バッターが長打を打ちにくいようなところに強いボールを投げることができればもっと失点を防げると思いますし、ホームランも減っていくと思います。真っすぐのコントロール、そして強さももう少し出せていけたらなと。今後は155キロを目指してやっていきたいですね。
――昨季は新たにカットボールとフォークボールを投げ始めたそうですね。
西口 その2球種に関してはまだまだ確率が高くないので、浮かないようにすることやコースをしっかり狙うとか、そういうところでもっと突き詰めてやっていきたいです。ほかの変化球もそうなのですが、さらに精度を上げていかないといけないですね。また、フォームが緩んでしまうこともあるので、真っすぐと同じようなフォームですべての変化球を操れるようにしていきたいなと思います。
――契約更改後には先発をやりたいと話していました。
西口 昨シーズンの初めのロングリリーフのときに小山(
小山伸一郎)コーチから・・・
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