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BIGHOPE 光る新鋭

ソフトバンク・柳町達 自分の“タイミング”「1試合1試合、アピールし続けないといけない立場。その積み重ねが12試合という形になった」

 

「二軍ではずば抜けていた」。そう小久保裕紀二軍監督に言わしめたヒットマンは、一軍昇格を果たすと、期待された打撃力をすぐに見せつけた。3年目にしてつかんだ感覚を大切に、まだまだ続く長いシーズン。このまま試合に出続けてこそ、チャンスをものにしたと断言できる。
取材・構成=菅原梨恵 写真=榎本郁也、湯浅芳昭、BBM


試してきたからこそ


 プロ3年目は多くの選手が『勝負の年』と位置づける。5月19日現在、リーグトップのチーム打率.265を誇る打線に名を連ねる柳町達も例外ではなく、強い思いをにじませる。昨季はウエスタン・リーグでトップの88安打を放ち、同2位の打率.294をマークした。左ヒザ前十字じん帯断裂などでシーズン絶望となった左翼のレギュラー・栗原陵矢に代わって一軍に昇格した今季、与えられたチャンスで自らの打撃を貫き、さらなる進化を見せている。

――柳町選手自身はどういう位置づけで今季を迎えましたか。

柳町 もちろん勝負の年というか、やっぱり一軍に食い込んでいかないといけない年なのかなと思ってはいました。1年目、2年目を受けて、一軍で結果を出さないといけないのかなと。

――ソフトバンクの場合、外野の競争はどこよりも熾烈です。今春も、左翼は栗原陵矢選手、右翼は柳田悠岐選手のレギュラーが決まっている中で、残るは中堅の1枠でした。

柳町 センターが空いていると言われてキャンプが始まって、もちろん獲りにいく一心でやってきて。僕自身は打撃というところが持ち味なので、そこでしっかり結果を出すことから。その思いはキャンプからずっと変わらなかったですね。

――ライバルたちとしのぎを削る中、惜しくも開幕一軍には届きませんでした。

柳町 そこはもう切り替えというか。というのも、オープン戦の期間も、結果はあまり出せてはいなかったんですが、自分自身の中では「ちょっといい形ができてきたな」という感覚があった。二軍に行っても、早くその感覚を自分のものにして、何とかすぐに結果を出すという思いでやっていました。もちろん悔しかったですよ。ただ、二軍のほうが先に開幕を迎えたので、しっかり結果を出してすぐ一軍に上がれるように、という思いでしたね。

――オープン戦で「いい形ができてきた」ということでしたが、二軍に行ってからも、まずはその形を確実に自分のものにすることが一番だった。

柳町 そうですね。それで結果が出たのが、余計によかったなと思います。

――その形というのは、1年目、2年目とやってきたものとは違うもの? それとも継続してきたものなのでしょうか。

柳町 僕としては、これまでとはちょっと違ったような感覚だったんですよね。そもそも、入団して1年目からからずっと試行錯誤しながら、形を変えながらやってきた。変化に伴っては、感覚も違ってくるとは思うので。なので、1、2年目とは違う感覚があったのかなとは思います。なんですけど、1、2年目でいろいろ試してきたからこそ、見つかったのかなとは思いますね。

――具体的にここで言う“感覚”とは?

柳町 打席の中での感覚ですかね。“タイミングの取り方”というところが、自分の中でオープン戦でいいなと思ったので。それが二軍での、24打席で11安打、打率.500につながったのかなと。

――二軍で快音を響かせていい状態をキープする中、一軍昇格のチャンスが巡ってきました。

柳町 もちろん一軍に呼ばれた時点で、すごいチャンスだったので・・・

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