ドラフト8位での入団から4年、着々と地力を蓄えてきた。先発として準備してきた今季だったが、一軍では中継ぎとして力を発揮。チームに少ないサウスポーは働き場所にこだわることなく、一軍での居場所を確保するつもりだ。 取材・構成=阿部ちはる 写真=井沢雄一郎、BBM 必要とされる場所で
4年目左腕が躍動している。今季はオープン戦で左脇腹を痛めた影響で出遅れるも、5月18日に一軍昇格すると25日にはプロ初ホールドをマーク。貴重な中継ぎ左腕としてチームを支えている。当初はビハインドの場面で登板することが多かったが、昇格後4試合連続無失点など6月8日時点で失点1と安定したピッチングを披露し、徐々に接戦の状況でマウンドに上がる機会も増えてきた。150キロを超える力のある直球を武器とする鈴木翔天は、チームの左腕不足解消に大きな存在感を放っている。 ――一軍昇格後は厳しい場面での登板も続いていますが、ここまで失点を少なく抑えられています。手応えも感じているのではないでしょうか。
鈴木翔 昨年に比べると真っすぐのスピードとか質がいいので、真っすぐがいい分、変化球で空振りが奪えているのかなと思います。
――昨オフ習得したシンカーを今年は多く投げていますね。
鈴木翔 昨年は真っすぐとスライダーだけだったので、右バッターには結構苦労していました。そこで1球種欲しいなと思って習得に取り組んだので、今年は特に右バッターに対し多投していますね。
――プロ入りの際にはスライダー、チェンジアップ、フォークが持ち球でした。プロ入り後に習得したボールは、ほかにありますか。
鈴木翔 今投げているシンカーと言いますか、ツーシームみたいなものだけですね。ほかにも試行錯誤してやっていたのですが、結局ゲームレベルで使えるのはそれくらいかなと思います。昨年はフォークも少し投げていたのですがあまりよくなかったので。チェンジアップもプロではほとんど投げていないですね。
――シンカーを覚えようと思ったきっかけとしては、やはり一軍で勝負するために必要だと。
鈴木翔 今年は先発として登板することが多かったこともあり、球数を減らすためにもゴロを打たせたいと思いツーシームの練習を始めました。それが思いのほかよかったので、中継ぎで登板するときにも使っています。
――春季キャンプから一軍に上がるまでは先発として登板していました。チーム事情から現在は中継ぎでの登板となっていますが、調整の難しさは?
鈴木翔 昨年まで中継ぎだったので、中継ぎに入る難しさはなかったですね。ただ、中継ぎから先発への調整のほうが難しかったです。特にペース配分という点では、僕は抜くボールを知らないので、全部全力で投げてバテてしまったりとか。結構、大変でした。ただ、二軍で投げているうちに少しずつ改善してきました。
――抜くボールというのは、中継ぎでも生かされている?
鈴木翔 それはないですね。先発のときはカーブやフォークのような緩いボールも投げていたのですが、中継ぎでカーブを放ることはあまりないです。中継ぎは全力でいきますね。
――先発をやるという話はいつごろから出ていたのでしょうか。
鈴木翔 昨秋のキャンプで少しそんな噂はあったのですが・・・
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